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「自分たちのサッカーに自信を持っている」徳島ユースが尚志撃破!初のプレミア昇格まであと1勝!

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FW岩佐瞭希の先制点を徳島ヴォルティスユースのチームメートが祝福

[12.15 高円宮杯プレミアリーグ参入戦1回戦 尚志高 0-2 徳島ユース 東広島運動公園陸上競技場]

 15日、高校年代最高峰のリーグ戦であるプレミアリーグ参入を懸けた高円宮杯U-18サッカーリーグ2018 プレミアリーグ参入戦の1回戦8試合が広島県内で行われた。尚志高 (東北、福島)と徳島ヴォルティスユース (四国、徳島)のカードは、FW岩佐瞭希(2年)の2ゴールによって徳島が2-0で勝利。徳島は初のプレミアリーグ昇格を懸けて17日の2回戦で流通経済大柏高(関東2、千葉)と戦う。

 参入戦への出場は初めてながらも、プリンスリーグ四国を無敗で優勝した実力は伊達ではない。徳島が持ち前の攻撃力と、技術力を存分に発揮し、会心のゲーム運びを見せた。

 ただし、慣れない大舞台のせいか、序盤は苦しむ場面もあった。FW藤原志龍(2年)が、「勝ちたいという思いが強くて、力んでいた」と口にしたように、立ち上がりは硬さが目立ち、尚志に攻め込まれる場面が続いた。

 攻撃も相手の激しいプレスも苦しんだが、時間の経過と共に「ボールを動かし、相手を支配するのがコンセプト」(羽地登志晃監督)という最後尾から丁寧にパスを繋ぐサッカーが機能。MF桒原呂偉(3年)、松原蓮(1年)のダブルボランチを起点とした中央での繋ぎと、MF市川健志郎(1年)と山田誠人(2年)の両ウイングバックによるサイド攻撃を使い分け、試合を自分たちのペースに持ち込んだ。前半31分には桒原のパスから山田が左を突破。ゴール前に上がったクロスを岩佐が頭で合わせて、試合を動かした。

「良い時間帯に、良いクロスから先制点が奪えたのが大きかった」と羽地監督が振り返ったように、理想的な流れで前半を終えると、後半は攻撃の勢いが更に加速。9分には、桒原のドリブル突破を起点に、PA内でのコンビネーションから決定機を作り出した。

 守備も、「みんな走れたし、戦えていた」と桒原が胸を張ったように、ボールロスト後に素早く守備へと移行することで、相手に決定機を与えなかったが、後半頭からMF加野赳瑠(3年)とFW十鳥仁寛(3年)を入れて反撃に出た尚志に押し込まれる場面が増加。後半17分には、右クロスから十鳥にフリーでヘディングシュートを打たれるなど、肝を冷やす場面が続いた。

 だが、何とか我慢の時間を凌んだ徳島に再びチャンスが到来。28分、桒原のパスから左の山田がゴール前にクロスを入れると、先制点のシーンと同じく岩佐がヘディング弾を叩き込んだ。徳島はそれ以降、交代枠をフルに使い切りながらも最後までチャンスを作り、2-0でタイムアップ。持ち前の攻撃力を発揮し、初のプレミアリーグ昇格に王手をかけた。

「日本が世界で戦うため、高校生年代の選手がプロで戦えるようになるためには、自信を持ってボールを持てる選手にならないといけない」。そう話す羽地監督の下、技術と判断に拘ったサッカーを展開してきたが、就任を3年目迎えた今季は、「よりボールを持って、剥がしていく」(羽地監督)サッカーを志向し、攻撃色を強めた。

 その戦いがハマり、プリンスリーグ四国で最多得点をマーク。無敗での優勝を達成したことで自信を深め、この日は普段対戦できない四国以外のチームを相手にしても、「自分たちのサッカーに自信を持っているので、勝つ気しかなかった」(藤原)。

 2回戦で当たるのは、インターハイ王者である流経大柏。全国でもトップクラスのタフさと守備力を持つ相手だが、「そういうチームを倒すのがサッカーの醍醐味。速さ・上手さで勝ちたい」(羽地監督)と憶する様子は見られない。桒原も「相手は強いので、ボールを持たれる時間が増えると思うけど、我慢強く守りながら、自分たちのサッカーを出したい」と意気込む。藤原が「プレミアは、絶対に今年は行きたい舞台。プレミアで活躍すれば、将来も変わっていくと思うので、上がってもっとアピールしていきたい」と口にするように、更なる高みを目指し、次も攻撃的に勝利を狙いに行く。

(取材・文 森田将義)
●高円宮杯U-18サッカーリーグ2017 プレミアリーグ特集

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