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[MOM2354]富山一DF滝本敦生(3年)_守備の要が2ゴールの大仕事!高さが武器の“富一タワー”

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2ゴールだけでなく、守備でも奮闘したCB滝本敦生(3年)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.15 高円宮杯プレミアリーグ参入戦1回戦 富山一高 2-1 瀬戸内高 コカ広島ス]

 187cmの長身でDFラインの中央に君臨する男が、2ゴールの大仕事をやってのけた。

「ちょっと公式戦から離れていたこともあって、試合の入り方が全員良くなく、やばいなと思っていました」。プリンスリーグ北信越は他のリーグよりも終わりが早く、選手権予選も早く終わるため、この試合までの公式戦期間はどうしても空いてしまう。いきなりの重要な戦いで、相手のレベルもプリンス中国2位の瀬戸内高(広島)と高く、大きく戸惑うのも無理はなかった。

 しかし、今年の富山一高(北信越1、富山)のポテンシャルは感覚を取り戻せば、問題はなかった。それはCB滝本敦生(3年)もそうだった。「僕らは元々失点が少ないチーム。5バックなので一人ひとりの守備範囲が狭く、堅く守れるけど、2枚が前に行ったときは3人なので統率が難しいところもあります。でも、だんだんコントロールできてきた」と、先制点こそ許したが、徐々に守備にリズムが生まれて行くと、滝本自身もその流れに乗った。

 前半43分、右からのクロスのこぼれ球に素早く反応し、ボールの落ち際を左足一閃。強烈なシュートをゴールにつき刺し、同点にとした。後半13分には、またもCKから今度は得意のヘッドで押し込んで逆転ゴール。守備の要がチームを勝利に導く2ゴールを挙げてみせた。「流れが悪い中でもセットプレーで一気に流れを持っていけるんで、自分たちのプレーも大事にして、セットプレーも大事にしていきたいです」。

 富山一には精度の高いプレースキッカーと、左のDF中田青(2年)、右のDF松本楓大(3年)という2人のロングスローを投げる選手がいる。だからこそ、滝本の高さは強烈な武器になり、逆に彼がいるからこそ、空中戦も強いFW坪井清志郎(3年)とFW大竹将吾(3年)の2トップも生きてくる。

 次なる相手は強豪・三菱養和SCユース(関東3、東京)。滝本にはセットプレーからのゴールも期待されるが、それ以上に相手のスーパーエース・U-17日本代表FW中村敬斗(2年)を抑えるという重大なタスクがある。

「三菱養和がどういうチームかあんまり分かんないですけど、もうやるしかない。代表に入っている選手(中村)もいるみたいですけど、潰すだけです。今年、僕たちの代はけっこう強いと言われてきて、この代でしっかりとプレミアに上げて後輩をプレミアで戦わせることを目標にしてきたので、勝ちたいと思います」

 瀬戸内戦で取り戻した試合勘と確固たる自信。後輩達を、そしてチームを再びプレミアの舞台に立たせるべく、187cmの『富一タワー』は決意を固めた。

(取材・文 安藤隆人)
●高円宮杯U-18サッカーリーグ2017 プレミアリーグ

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