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“3年前”の立役者が同点弾! FC東京U-18FW吉田和拓「決めるしかないと思っていた」

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同点ゴールを決めたFC東京U-18FW吉田和拓(3年)

[12.17 高円宮杯チャンピオンシップ FC東京U-18 3-2(延長) 神戸U-18 埼玉]

 高円宮杯、勝てば全国優勝、相手はヴィッセル神戸、奪われた先制点――。あらゆる要素が“3年前”と同じものだった。そうなれば、主役となるのはFC東京U-18FW吉田和拓(3年)。「決めるしかないと思っていた」という“決勝男”が、この日も試合を大きく動かした。

 話は遡ること2014年12月27日、FC東京U-15深川は高円宮杯全日本ユース(U-15)の決勝戦でヴィッセル神戸U-15を3-1で下し、2度目の全国優勝を果たした。その時の主要メンバーは、多くが現在高校3年生。高円宮杯プレミアリーグEASTで初優勝したFC東京U-18の中軸を担っている選手たちだ。

 17日に行われた高円宮杯チャンピオンシップでは、MF品田愛斗(3年)、GK高瀬和楠(3年)ら、当時の決勝戦に出場していたFC東京U-15深川出身選手10人がメンバー入り。大一番の対戦相手が決まった時点で、「あの時と同じだ」とすでに盛り上がりを見せていたという。

 ところが試合が始まると、さらに思わぬ偶然が重なっていく。前半のうちに先制点を奪ったのは前回同様に神戸。さらに、FC東京の1点目は、当時と同じく品田のPKから生まれた。すると、気になるのは次の得点の行方。3年前は吉田の2得点により、FC東京が逆転勝ちを収めていた。

 すると後半8分、「自分も全く同じだと思っていた」という吉田が本当に試合を動かしてみせる。3年前の試合と同ポジションで途中出場したDF草住晃之介(2年)のクロスに飛び込むと、ファーサイドで倒れ込みながらヘディング。難しいバウンドだったがしっかりとミートさせ、貴重な同点ゴールを押し込んだ。

「チームの全員が勝ちたいと思っていたので、勝ちにつながるプレーをしたいと思っていた。気持ちがないと絶対に点は入らないと思っていたので、気持ちが入ったゴールだった」。そう振り返った吉田を尻目に、延長戦に決勝点を叩き込むDF長谷川光基(3年)と品田は「やっぱりあの時と全く同じだ」と勝利を予感していたという。

 もっとも吉田は、エースとして迎えた3年前とは異なる立場で今大会を迎えた。2年生だった昨季はAチームでの出場機会をなかなかつかめず、最上級生となった今季もFC東京U-23で活動するメンバーが帯同する週はサブ起用が中心。「絶対にこのままじゃ終われない」。高校生活を良い形で終わるため、大一番に向けて気持ちを高めてきたという。

 そうして迎えた最後のビッグゲームで、同点弾という大仕事。「なかなかチームに貢献できるプレーは多くなかったけど、1年をかけて自分の中に築いていたものが結果につながった。何か結果を残して終わりたかったので良かったです」。持ち前の勝負強さを発揮し、高校生活最後の試合を笑顔で終えた。

(取材・文 竹内達也)
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