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果敢に足下、判断力で勝負挑んだ徳島ユースは涙の敗戦。先発9人の1、2年生たちがプレミア昇格に再挑戦

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徳島ヴォルティスユースの1年生MF松原蓮は存在感を示したが、交代後に涙も

[12.17 高円宮杯プレミアリーグ参入戦決勝戦 流通経済大柏高 5-1 徳島ユース 広島一球]

 徳島ヴォルティスユースはプリンスリーグ四国で無敗優勝を果たし、プレミアリーグ参入戦1回戦でも東北の強豪校・尚志高を2-0で撃破。この日もインターハイ優勝校・流通経済大柏高相手に自分たちの積み上げてきたサッカーで果敢に挑戦したが、結果は1-5で敗れ、四国勢としては11年の愛媛FCユース以来となるプレミアリーグ参戦を果たすことができなかった。

 開始2分に先制された徳島だったが、13分にショートパスを繋いでスペースを作り出すと、FW八木祐哉(2年)が右中間から右足ミドルをゴール右上隅へ突き刺して同点。MF桒原呂偉(3年)とMF松原蓮(1年)を中心に中央、サイドで丁寧にボールを繋ぎ、相手の逆を突きながら攻める徳島は、その後も八木とFW藤原志龍(2年)の2シャドーにパスを通して前向きの状況を作り出す。先発9人が1、2年生、172cmの松原が最長身という小柄なチームが技術力と判断力を駆使して流経大柏に対抗していた。

 質の高さも印象づけた徳島だが、羽地登志晃監督が「向こうの土俵に引きずり込まれた。引きずり込まれたということは自分たちの技術がまだまだだということなので、それだけですね」と語り、松原も「(流経大柏のレベルのプレッシングは)四国では味わえないですね。速くて強かったですね。(自分たちのサッカーを)やろうとしていたけれども、プレッシャーを感じていたから相手に隙を与えてしまったと思います」と振り返ったように、流経大柏の強烈なプレッシング、アプローチの速さと球際の強さの前にボールを思うように繋げなくなってしまう。

 そしてミスやセットプレーから失点を重ねて1-5で敗戦。特に序盤、相手の逆を取る動きなどによって存在感を見せていた松原は後半45分に交代すると、そのままベンチ横に座り込んで涙を流し続けていた。

「3年生と最後だったので最後は笑って終わりたかったですね。自分の実力不足が出た試合だったので悔しかったです。まだまだ四国リーグはレベルが低いので、自分たちがレベル上げて、来年プレミアリーグに上がれるようにしたい」。神戸FCジュニアユース出身の松原は複数のJクラブユースチームから誘いがあった中で、徳島のボールを繋いで、相手をいなしながら攻めていくサッカーに魅力を感じて加入。この日は悔しい敗戦となったが、判断良くボールを展開する特長やチームメートたちとの連係をより磨いて、このステージに再挑戦する意気込みだ。

 羽地監督は松原について「あの涙がまた彼を強くするんじゃないかなと思います」と期待し、先発のほとんどが残る1、2年生たちへ向けて「色々なことをこのピッチで感じてくれたと思うので、彼らを僕らが一層伸びるような手助けをして、来年このピッチに帰って来ようよと言ってますし、彼らならやってくれると思います」と力を込めた。来年はこのピッチで勝利すること。この日の悔しさを忘れることなく一年間努力を続けて、1年後に目標を達成する。

(取材・文 吉田太郎)
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