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見てきた“3年前の主将”の背中…流経大DF今津佑太「翔登さんにはまだまだ追い付かない」

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進路を模索する流通経済大DF今津佑太(4年=流通経済大柏高)

[12.24 全日本大学選手権決勝 流通経済大5-1法政大 浦和駒場スタジアム]

 苦しんだラストシーズンだったが、最後に笑うことができた。開幕前に右膝半月板を負傷した影響で出遅れ、リーグ戦では年間を通じてコンスタントな成績を残せなかった流通経済大DF今津佑太(4年=流通経済大柏高)は、全日本大学選手権(インカレ)でようやく真価の一端を見せつけた。

 夏に実戦復帰してからも、メンバーに入ったり外れたりを繰り返してきた今津にとって、今大会は「みんなに連れてきてもらった」という舞台。2回戦と準々決勝、そして決勝戦にフル出場し、3年ぶり2回目の優勝に大きく貢献した。終了後には「合格点が出るようなパフォーマンスではなかったんですけど、決勝という舞台を用意してくれて、その場所に立てたことが財産」とチームメートへの感謝が口をついて出た。

「最後こういった形で終わることができて良かった。これがなかったら、これからも頑張ろうと思っていられなかったと思います」。インカレ優勝が決まった法政大戦を終え、今津は苦しかったシーズンをそう振り返った。「コンディションを戻すのが難しく、最近になってようやく……」という負傷を乗り越えてきた到達点だった。

 しかし、怪我の代償は他にもあった。まだ来季の進路が決まっていないというのだ。「自分がやりたいのはJ2より上ですけど、自分の希望とうまく合うのか分からない」。そう話す今津は3年前、この大会で優勝を果たしてブレイクを果たしたDF鈴木翔登(熊本)を意識し、プロ入りの可能性を模索しているという。

「翔登さんについては年間を通してチームを引っ張っていて、そういった努力が報われたのがインカレだった。自分は年間を通して出場できず、最後に出させてもらった形。まだまだ全然追い付かないです」。いまは夢を叶えた先輩を仰ぎ見るのが精一杯だが、「優勝したから終わりではない」という気持ちは同じもの。「行くステージがあれば自分はもっと成長できる」とアピールを行った大学最後の大会を経て、次に輝くべき場所を探している。

(取材・文 竹内達也)
●第66回全日本大学選手権(インカレ)特集

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