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新潟内定の流経大MF渡邉、敵指揮官からも「嫌な選手」と名指しされるプレーとは

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途中出場でMF渡邉新太はゴールの起点となる

[12.24 全日本大学選手権決勝 流通経済大5-1法政大 浦和駒場スタジアム]

 流通経済大MF渡邉新太(4年=新潟ユース/新潟内定)は途中出場から存在感を発揮。敵指揮官である法政大の長山一也監督に「渡邉くんが僕としては嫌な選手」と言わしめた。

「今大会は今日みたいなの(途中投入)が多かった」という渡邉は後半12分から出場し、同22分には自らのドリブルでMF新垣貴之(3年=流通経済大柏高)の勝ち越し弾を演出。「途中から出てきたら嫌だと思うし、思いっきりやりました」と持ち味のハードワークからのチャンスメークを徹底し、見事役目を果たしてみせた。

 また、今大会ベストMFにも輝いた渡邉は後半35分、味方が得たPKで3点目を決める。準々決勝・福岡大戦での終了間際のPKはMFジャーメイン良(4年=流通経済大柏高/仙台内定)が蹴っていたが、「ジャメと交代なんですけど、福大はジャメで、前の試合でジャメが蹴ったからおれが蹴りました」とキッカー決定の経緯を明かす。

 決めれば勝利を大きく近づけるPKに、特に緊張は見せなかった渡邉。「流経大は練習終わりにPK練習をするんですよ」とPKへの自信について語る。「蹴る方向も決めてるし、毎日蹴ると練習相手のキーパーもわかるじゃないですか。わかられても取れないコースを蹴っているんです」と自信の裏には裏打ちされた積み重ねの練習があった。

 来季からは地元であるアルビレックス新潟に入団が内定。「小さい時からビッグスワンに行っていて、アルビレックスの試合を見ていた」と昔を思い返しつつ、「自分の中で憧れの場所、憧れのチームなので、早い段階からオファーが来て、J2に落ちようが、J1に残ろうが行こうと思っていた」と強い思いを口にする。「プロに行くなら最初のチームはアルビレックスがいいと思っていたので決めました」と即決の新潟入りだったようだ。

 ユース育ちの渡邉は果たせなかったトップ昇格について、「最初は戻る気はなかったんですよ」と語る。「でもやっぱり大学でサッカーしていて、新潟の情報は気になっていたし。やっぱりアルビレックスのユニフォームを着て、ビッグスワンで試合をしたいという気持ちはありました」と離れていた分、新潟への気持ちは大きくなっていた。

 今季は降格という憂き目にあった新潟だが渡邉の決意は固い。「新潟は攻撃が外国人頼みと言われることが多いので、地元出身の自分が出て牽引したい。J2からJ1にすぐに戻せるようにしていきたい」とインカレ優勝で得た自信を胸に、地元新潟へ凱旋する。

(取材・文 石川祐介)
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