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“力強さ”に課題を残す完敗も…大宮JY岡本隆吾監督「どう伸びていくのか楽しみ」と期待

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大宮アルディージャジュニアユースの岡本隆吾監督

[12.26 高円宮杯全日本ユース(U-15)準決勝 大宮JY 0-3 FC東京U-15深川 味フィ西]

 夏のクラブユース選手権ベスト8から一つ積み上げ、冬の高円宮杯では4強進出を果たした大宮アルディージャジュニアユースだったが、準決勝で同じ関東勢のFC東京U-15深川を相手に完敗を喫した。岡本隆吾監督は「本当の実力が出てしまった」と振り返り、選手たちの今後のスキルアップに期待を寄せた。

「夏で全国ベスト8に入って、選手たちも一つでも上のところに行きたいという気持ちでトレーニングに励んできたが、まだまだこういった舞台で闘えるモノを持っていなかった。臆することなく実力が出せるように鍛えなきゃいけないですね」。試合後、サポーターから選手時代のチャントを贈られた指揮官は悔しそうに述べた。

 とはいえ、大宮アカデミーの代名詞であるポゼッションスタイルで、序盤は試合の主導権を握っていた。球際で激しく闘うFC東京に対して「恐れることなく、自分たちでやってきたことを信じて、プレッシャーのなかでも怖がらずにやっていく」という意志を共有。サイドを広く使ったパスワークで主体的な攻撃を展開した。

 しかし、「こそで人数をかけて攻撃ができなかった」ことで得点を奪えず、前半36分に一瞬のスキを突かれて失点。後半にも個人技とミスから2点を奪われ、0-3の完敗に終わり、「相手のプレッシャーが強かったこと、厳しい球際など深川さんが一枚上手だった」という試合展開となった。

 3年生はこの試合限りで中学年代の公式戦を終えた。岡本監督は高校年代に進む選手たちに対し、「ここでやってきたことを基礎として、一人一人が力強さを出せるようになり、より良い部分は伸ばしていってほしい」と期待を寄せた。より良い部分とは、言うまでもなく「技術」のこと。このスタイルで鍛えたスキルは今後のステージでも生かされると考える。

 一方、課題として浮かび上がったのは「力強さ」だ。「うちの選手は小さかったり、細かったりする選手がいる」という指摘は結果にも表れていた。それを踏まえて指揮官は「ただ、力強さは高校生からもついていきますし、みんなこれから鍛えがいがある選手。どう伸びていくのか楽しみです」と述べ、優しい眼差しを見せた。

(取材・文 竹内達也)
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