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清水桜が丘の強力2トップ、エースFW白井海斗&1年生FW松永颯太「桜が丘の名前を全国に広められるような結果を」

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清水桜が丘高の強力2トップ、FW白井海斗主将(左)とFW松永颯太

 第96回全国高校サッカー選手権大会が12月30日に開幕する。清水桜が丘高(静岡)は激戦区の静岡県予選を勝ち抜き、開校5年目で初の選手権出場。全国高校選手権優勝3回の名門・清水商高の歴史を受け継ぐ強豪が「清水桜が丘」の名で初めて臨む選手権でどのような活躍を見せるか注目だ。
 
 抜群のテクニックと決定力で試合を決める“静岡のファンタジスタ”、静岡県予選MVPのFW白井海斗主将(3年)と県大会決勝で同点ゴールを決めるなど静岡県予選の最優秀新人に選出された“スーパールーキー”FW松永颯太(1年)の強力2トップが、コンビを組むお互いの印象や、初めて挑戦する選手権への意気込み、そしてスパイクへのこだわりなどについて語った。

―清水桜が丘に名を変えてから初めての選手権予選優勝。反響が大きかったと思うが?
白井「高校サッカーの良いところは、全校応援でみんな来てくれるところ。選手としてもああいう応援の中でやるのはいい経験だし、一般の生徒が自分たちのために応援してくれるのは力になるなと感じました。あの応援がなければ、このような結果を得られなかったと思います。次の日とかも『おめでとう』と先生方から声を掛けてもらいましたし、おばあちゃんちの近くのお店に行った時も『おめでとう』と言ってもらった。生徒の中には『感動を与えてくれてありがとう』と言ってくれるような人もいました。一般の生徒たちにも影響を与えられたのは良かったと思います」

―清水桜が丘の報道と同時に清商の名前も出ていた。
白井「僕らは全員、桜が丘という名前になってから入学していますが、優勝してから、強かった清商から桜が丘になった名前をどう全国に響かせるかと意識も変わりました。清商の時は、全国でサッカーやっていて、清商の名前を知らない人は数少なかったと思います。今、県内で桜が丘という名前は結構出ていると思うんですけれども、全国的にはみんなが知っている名前ではない。その名前を全国に広められるような結果を残したいですね」

―松永選手も清水桜が丘を有名にしたいと思っているのでは?
松永「今回の大会は大きなチャンス。一戦一戦戦って、いい結果を残していければ、知ってもらえると思うので勝っていきたいですね」

―白井選手たち3年生にとっては、後輩たちのためにもという思いがあった。
白井「僕が1年の時も先輩方にインターハイに連れていってもらって、いい経験をさせてもらいました。その時に僕は思うようなプレーができなくて悔しかったけれど、2年、3年とやってきて今回はその経験を活かせたと思います。全国へ行くことによってこの1年生、2年生が全国へ行きたいという意欲が強まるし、チームの活性化にも繋がると思う。今年、キャプテンになって、自分たちの代で全国に行きたいというのもありました。そして、1年生、2年生にいい経験をさせてあげたいなというのがキャプテンなりに強かったので、優勝することができて、今、試合に出ている1、2年生は(松永)颯太とか数人なんですけれども、これからのメンバーにとっても、一緒に経験することで意欲に繋がっていくと思うので、全国大会出場は良かったかなと思います」

―伝統を受け継いでいく1年生から見て、3年生の姿はどう映っていた?
松永「3年生は入った時から優しくて、色々なことを教えてくれて、人によっては結構声を掛けてくれる人だったり、プレーで見せてくれる人だったり、色々な人がいたので後輩としてはやりやすかったです」

―少し前の清商はピリピリ感があったような印象だけど。
松永「最初は怖かったですね。目つきが怖くて……。ピリピリ感が最初ありました」
白井「ねぇだろ~(苦笑)。でも、入った時は感じますね。自分もそうだった。緊張しました」
松永「部室とか怖かった」

―1年生はハンパなプレーができないというプレッシャーがあったのでは?
松永「いえ。(監督の)大瀧先生からも練習終わったあとに何度か声をかけて頂いて、細かいところまで見てくれているんだなと。上を目指してやっていかないといけないなと思いました」

―先輩たちを超えるためには、日常から先輩たち以上に意識高くやっていかなければいけない。
松永「先輩たちにいい経験をさせてもらいました。自分たちの代になったら、1、2年生にまたいい経験をさせてあげたいので、これから全員でやっていきたいです」

―2トップを組む選手としてお互いのことをどう思っている?プレーやピッチ外の印象も教えて下さい。
白井「日頃、目上の人への対応が大切だと思うんです。僕の考えは良いことか悪いことか分からないですけど、サッカーをやる上で学年の壁とかあまり良くないと思っています。あんまり敬語使われるのは好きでなくて、颯太も日頃から敬語ではないですね。その方がコミュニケーションを取れる。(松永は)生意気な面もあるんですけど、その性格がプレーでいい方向に出ていると思う。3年生が威張るのではなくて1年生もみんな頼りにしているし、(決勝戦の)あの場面でゴールが決まっていなかったら全国大会にも出れていないと思うのでキャプテンとしても凄くありがたいと思っています。(松永は)1年生ということで献身的に走るし、裏抜けてゴールというのが一番特長。それも発揮してくれたし、ボールを収めるというところでも泥臭くやってくれたので、プレー面では貢献してくれたと思います。お兄ちゃん、(松永)駿平が(清水)東高にいて、(清水)ジュニアユースの時に一緒にやっていた。その弟というのもあって以前から知っています」

―松永選手から見て白井選手は?
松永「頼れる先輩ですね。プレーでも見せてくれますし、日々の生活で1年生にもしっかりと接してくれて、キャプテンというのもあるんですけれども、ちゃんとチーム全体を見てくれていて、とてもやりやすいです。プレーでは2トップを組ませてもらっていますが、欲しい時にボールが来るし、パスを出したい時にいてくれるので今までやってきた人の中で一番やりやすいですね」

―参考になる部分はある?
松永「相手抜く時とか相手の前に入る時とか、特に参考にしているのはシュートですね」

-今日の練習でテストしたスパイクの感想を教えて下さい。白井選手はCOPA、松永選手はNEMEZIZを着用しました。
白井「アディダスの方から説明して頂いて、4種類全部履いたんですけれども、僕は革の方が好きなんでCOPAが素足感覚で蹴りやすかったし、走りやすさやボールの蹴りやすさが実感できたと思います」
松永「(4種類)全部履いたんですけれども、自分が一番重視しているのはシュート打つ時の感覚と、走りやすさの2つ。4つ履いた中で一番プレーしやすかったのがNEMEZIZでした。強いシュートをコースに打てたりもしました」

―デザインについては?
白井「僕は結構シンプルなデザインが好き。COPAは僕的に好みでもありました。普段はデザインでは決めないけれど、素足感覚に近いので良かったなという感想を持っています」
松永「白とか青よりもシンプルに黒が好きなのでNEMEZIZにしました」

―普段のスパイク選びのこだわりは?
白井「自分はボールに触る部分が特長だと思うので、シュートの感覚は大事にしている。人工だと履いていると硬くて蹴った感覚が違うので、革で素足に近い感覚のものにしています」

―選手権では自分のどのような部分を出したい?
白井「僕も颯太もFWやらせてもらっている以上は2人で良く話もするんですけれども、得点することにはこだわっている。2人の特長としては、ゴールしてチームの勝利に貢献することが一番。自分は結果にこだわってやっていきたい。ボール受けてサイドに振ったり、自分のドリブルで突破したり、最後のゴール前の決定的な場面に顔を出して少ないチャンスで決めきるというのが自分の長所だと思うので、そういうプレーを波なく毎試合出せるようにやっていきたいと思います」
松永「試合に勝つにはゴールが必要なのでしっかり決めるところは決めて、守備では前線からちゃんとプレスして相手を自由にさせないプレーをしたり、とにかく得点にこだわって、3年生のためにも1勝でもできるように心がけていきたい。自分の特長である裏に抜けるところや、決めるところを自分の夢でもあるプロサッカー選手になるためにプロの人に見てもらいたい。活躍すれば、チャンスが広がると思うので、プロの目に止まるくらいのプレーを全国でできたらいい」

―特に白井選手にとっては今後のサッカー人生を変える大会に。
白井「昔からプロになるというのが夢で、選手権やインターハイという全国大会は物凄いアピールのチャンス。一つ、二つのプレーでも自分の未来に繋がるというプレッシャーや、楽しさがある。自分の良さを最大限に出して、プロの人の目に引っかかるようなプレーをしていきたい」

―桜が丘のこれからのためにも大事な大会。
白井「最近、桜が丘から代表の選手とか出ていない。チームで勝利するというのが一番だと思うんですけれども、桜が丘の中から代表や選抜に誰かが選ばれることでもみんな刺激を受けてチームが強くなっていく要因になると思う。アピールしてそういう位置に行けるようにしていきたいと思います」

―松永選手も近い位置にいる。
白井「僕から見ても1年から試合に出て、3年の中でああやって活躍できるというのはセンスが図抜けているなと感じるし、僕は颯太が全国でもいつもどおりに裏へ抜けて点を取るというプレーをしてくれて、貪欲にやってくれれば全国でも活躍できる選手だと思っている。1年で一番プレッシャーなくて楽しくやれる学年かなと思うので、気負わず楽しくやってもらいたい」

―組み合わせ(1回戦で高川学園高と対戦)を見た感想は?
白井「世間の人たちと一緒で、自分たちから見ても結構激戦区ですね。でも、勝っていけばどんどん強いチームと当たることになる。1回戦で勝てば2回戦では長崎総科大附に代表の選手がいますし、勝てば勝つほど強いチームとできるのはプラスに捉えています。今まで全国に出ていなくて、他県の強いところと公式戦で試合することが少ないので、強いチームとできることが楽しみです」

―対戦したいチーム、選手は?
白井「3回戦まで行けば青森山田とできる。この間、エスパ(ルスユース)と(青森)山田の試合を見て高校年代トップのチームとやりたいなとより強く思いました。凄く刺激ももらったので、そういうチームとやって勝ちを目指すということを大事にしたい。(対戦したい選手は)この間、青森山田の試合を見て、プロに行く郷家(友太)とか身体能力やセンスが凄く図抜けているところがあった。プロに行く選手と試合して感じるところがあるだろうし、自分が試合に出て活躍すれば、評価にも繋がっていくと思う。青森山田はDFの身体も強いと感じたので、強いチームのDFとやりたいです」
松永「せっかくなので強いチームとやりたいです。正直、組み合わせを見て思ったのは、『やってくれたな!』と。1回戦勝てば、2回戦で長崎総科(大附)とできるかもしれない。長崎総科は(1年生同士で)負けているので勝ちたいです。3回戦でも青森山田、勝ち進めば流経(流経大柏)とやる可能性もある。実績を残すほど、桜が丘という名前を広めることができると思うので勝ちたい」

―目標を教えてください。
白井「出るからには優勝を目指してやるのが普通だと思うので、僕達のチームは先を見るよりも一つひとつ勝っていくことですが、優勝目指して、その中で毎試合1点、2点得点してチームに貢献するのが僕の目標です」
松永「チームの目標は優勝ですけれども、目の前の試合一つひとつに集中して勝って行けたらいい。自分が取れなくてもその点に絡むようなプレーができればいいと思います」

(取材・文 吉田太郎)
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