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流経大柏の現代・次代のリーダー。MF宮本優太主将&FW熊澤和希、目標は「2冠」

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インターハイ優勝の流通経済大柏高、MF宮本優太主将(左)とFW熊澤和希

 千葉の名門が夏冬連覇に挑む――。第96回全国高校サッカー選手権大会が、12月30日に開幕する。今夏のインターハイで9年ぶりの全国制覇を果たした流通経済大柏高(千葉)は、18年1月2日の2回戦から登場(大分西高と初戦)。今年、インターハイ優勝、プレミアリーグ昇格という2つの目標を達成している流経大柏が、3つめの大目標である選手権優勝を狙う。

 流経大柏の現リーダーと、次世代のリーダー。鋭いアプローチと球際の強さで相手ボールを奪い、攻撃に繋げるなどチームの柱としても欠かせない存在のMF宮本優太主将(3年)と、インターハイ決勝戦で優勝ゴールを決めた技巧派アタッカーFW熊澤和希(2年)がお互いの印象や、初めて挑戦する選手権への意気込み、そしてスパイクへのこだわりなどについて語った。

―激戦区の千葉予選を勝ち抜いたのは本当に大きい。ホッとしたところもあると思うが、率直な感想を教えて下さい。
宮本「ホッとしたというのが大きいですね。日本一取った時も嬉しくて、選手権(予選を)取った時はもちろん嬉しい気持ちもあったんですけど、ホッとしたということを(コーチの齋藤)礼音さんとも話していて、自分はその通りだなと思いました。インターハイで日本一を取って、自分たちにはそのプライドもありましたし、選手権は3年間やってきたことを最後ぶつけるところなので、嬉しい気持ちもありましたけれども、ホッとしたという気持ちが大きかったです」

―ライバル・市立船橋との決勝はプレッシャーが大きかった。
宮本「プレッシャーはありましたね。日本一というプライドがあったので。インターハイ決勝もプレッシャーはありましたが、選手権の方が懸ける気持ちは大きかったですね」

―それを乗り越えて、勝利して、また成長するチャンスを得た。
宮本「(本田裕一郎)監督も話していて、『この短い期間(予選終了から全国大会まで)に人間は物凄く成長できるんだぞ』と。練習をするよりも、このような大きな舞台で試合をやることで成長できると思うので、チャレンジしていきたい」

―インターハイ王者が他チーム以上に成長すれば、またタイトルに近づくことができる。
宮本「インターハイ終わった後のプリンスリーグが7勝1分1敗で自分たちの中ではいい結果だと思っている。そのようないい結果が出せているのは、自分たちがチーム一丸となってやれているからだと思うので、そういう面では自信を持ってやっていきたい」

―熊澤選手にとっては選手権予選の決勝も初の経験だった。
熊澤「初めて選手権に出た時にインターハイの時と熱さも、迫力も、雰囲気も全然違って、自分はいつも通り冷静にやることを第一に考えて緊張はしませんでした。でも、決勝戦の途中出場は1-0という状況でもあったので緊張というか、不安もありました。インターハイ決勝の途中出場は点決めれば優勝で思い切りやるだけでしたが、今回は選手権予選で相手が市船というところで違う緊張感があって、自分が出ても大丈夫かなという不安がまずあった。その中で、2点目を決めるきっかけを作ることができたので良かったです」

―選手権では全国のどのチームからもターゲットになる。
熊澤「インターハイ日本一というのはまず忘れて、チャレンジャーとして挑んでいかないと、変なプレッシャーがかかって硬くなってしまう。それが怖いところなので、いい緊張感を持って初戦に臨みたいです。(選手権予選と違い、プレッシャーを)自分はあまり感じていないです」

―それぞれ、インターハイで注目されて、さらに凄いプレーを表現するための準備をしてきた。
熊澤「インターハイでゴールを決めたことで自分にも今まで以上に自信が持てたし、プリンスリーグなどで点を取れていましたが、完全にはまだ追いついていない。まだ実力が全国レベルに達していないと思うけれど、今回の選手権で活躍できたらホンモノだと思う。プロになるためには自分自身が点を決めたり、勝たせたりしなければ、プロになるために頑張りたい」
宮本「自分たち(現役の選手は)、選手権は初めてなので、どういうことがあって、どういう辛いことがあるのか分からない。その中で、やれることは自分たちで考えてやって、あとは監督やスタッフたちが言うことをプラスに捉えてやっていければ、絶対にどこよりも自分たちは練習していると思いますし、どこよりもキツイことをやっていると思う。どこよりもみんな個性も強いと思いますし、自信を持って行けば、多少のキツイことも乗り越えられると思っています」

―夏からのプラスアルファは?ボールを支配する部分などで手応えを感じているのではないか?
宮本「『ボールを握ることが大切だぞ』と先輩から自分はしつこいほどに言われていました。エノさん(榎本雅大コーチ)もずっと言っていて、自分たちはポゼッションサッカーというほどではないですけれども、多少繋げる部分が多くなってきた。その繋いだところからサイドで崩したり、チャンスで崩したりできているから、ゴール前まで行けたりしているのかなと。インターハイの時に比べたら、プラスになっていると思いますね」

―プレーヤーとして、またピッチ外の部分も含めてお互いの印象、期待する部分を教えてください。清水桜が丘の取材では先輩後輩で笑いながら生意気、と言い合っていたが?
宮本「生意気ですよ、熊澤も。でも、根は勝ちたいという気持ち、負けず嫌いというところがある。インターハイの時に点決めてくれたり、この前の選手権でも点決めてくれたり、ここぞのところで決めてくれていますし、誰よりも得点に懸ける思いが強いと思う。もしピッチに出てきたら信頼して、後ろから自分は支えるだけですね」

―彼のリーダーシップについては?
宮本「まだまだ物足りないと思いますよ。自分、自分ってなってしまう面がある。(同じ2年生のDF関川)郁万も、熊澤も。まだチーム全体を見れていないことが多いと思う。でもそれが必要な場面が出てきたら、変わってくると思う。個人としてもプレーの幅も広がると思うので、リーダーシップを身につけてもらいたいですね」

―熊澤選手から見た宮本選手は?
熊澤「頼れるキャプテンとしか言えない。プレー中にも後ろを任せられる選手ですし、点決めてくれる選手として一番信頼している選手です。守備の部分で良くボール取ってくれたり、自分のできないことをやれる。あの守備能力は羨ましいし、欲しいです」

―チームリーダーとしてどのような存在?
熊澤「自分もキャプテンをしていた経験があるんですけれども、自分とは真反対のキャプテン。まず、チームを引っ張るという部分で本当に力を入れているキャプテンだと思います。プレーでも、サッカー以外の面でも全てをまとめてくれるキャプテンなので、本当に頼れる存在です」

―今日着用したスパイクの感想を教えて下さい。宮本選手はPREDATOR、熊澤選手はXを着用しました。
宮本「(これまで着用してきた)ACEと感覚は同じで、フィット感もあっていいですね。革が足に良くフィットしていて、靴を履いていないような感じでやれるのは良いですね。(ハイカットの履き口で)足首までしっかり固定されている感じもあるし、フィット感もあるので物凄く良いです」
熊澤「以前からXを履いているので、このモデルも履き心地は変わらないですけれども、いつも通り履きやすいし、軽いし、ボールタッチもやりやすいです」

―デザインは?宮本選手は似合うかなと言っていたが?
宮本「黒は全然、自分には似合わないかもしれないですけれども、デザイン的には格好いいと思います」

―一方でXはかなりインパクトのあるデザイン。
熊澤「後ろの方も派手ですよね。自分はあまり(スパイクで)目立ちたくないですけれども、目立っても変わらないと思う」

―スパイクを選ぶ上でのこだわりは?
宮本「フィットするのが良いので、それを優先しています。切り返しの時などに中で足がズルっとズレてしまうのが嫌なので、自分は形がしっかりしているものを履いています。横とかピタッとなっているものですね。(少しキツイくらいのもので)徐々に自分の足に慣らせばちょうど良くなるので、そのようなスパイクを選んでいます」
熊澤「Xを初めて履いた時にフィット感と履きやすさが物凄く良かったので、ずっと履いています。Xじゃないと……。これがベストです」

―全国大会で対戦したい選手は?
宮本「(青森)山田の郷家(友太)であったり、そこは本当にやりたいですね。チームでは東福岡と3年生になってからまだ戦っていないし、J内定者もいるのでそういうチームとやりたいですね」
熊澤「バック陣のプロ内定しているDFと対峙したい。それに負けなかったら(自分もプロに)行けると思う」

―選手権ではどのようなプレーがしたい?
宮本「キャプテンとして、また守備でもチームを引っ張ることをこれまでやってきたんですけれども、ここぞという時に点を決めて、その部分でも引っ張っていきたい。全国で守備は通用するようになってきているので、次は攻撃面だったり、得点感覚を全国で見せつけたい」
熊澤「毎試合点を取っていれば得点ランキングにも入ってくると思いますし、点を決めれる選手じゃないとここから先やっていけない。今はムラがある。インターハイ後のプリンス(リーグ)などでもチャンスで逃したシーンもあったし、自分自身プリンスで毎試合決めている訳ではないので、選手権では決められるようにしたいです」

―選手権に懸ける思いを教えてください。
宮本「自分たちにとっては最後の大会。3年生で入れなかったメンバーの思いも背負って、彼らは自分たちのことを必ず応援してくれると思うので、その思いに応えられるように必死でやるのも当たり前ですけれども、必死にやって結果がついて来たらいいですし、優勝目指して頑張っていきたいです。流経は未だ夏冬2冠取っていないので、2冠を取って自分たちの代を流経の歴史に刻みたいです」
熊澤「メンバーを外れた3年生の思いも背負って試合に出ることと、試合では点を決めてチームを勝たせるという部分で選手権に対する思いは今までよりも強いと思います。そして、大きい目標なんですけれども、得点王とチームとしてはもう一回てっぺんに立ちたいと思います」

(取材・文 吉田太郎)
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