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「思い切って打ったら入る」。指揮官の助言通りに放った佐賀東SB都渡が開幕戦でファインゴール

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後半24分、佐賀東高の左SB都渡倭が左足ミドルを決めて2-0。(写真協力=高校サッカー年鑑)

[12.30 全国高校選手権開幕戦 関東一高0-2佐賀東高 駒沢]

「蒲原先生が『選手権ではこぼれ球を思い切って打ったら入る』と言っていたので、思い切り打ってみようとチャレンジしたら入りました」。佐賀東高の左SB都渡倭(3年)は決してミドルシュートが得意な選手ではないのだという。だが、尊敬する指揮官の助言通りに思い切り良く放ったミドルシュートが、関東一高の反撃の勢いを止める一撃となった。

 1-0の後半24分、佐賀東は左CKのクリアボールがPA外側にこぼれると、迷わず左足を振り抜く。ショートバウンドしたボールを思い切り良く振り抜いたシュート。DFがブラインドになって関東一の名手・GK北村海チディ(2年)の反応が遅れたことも影響し、シュートはゴール右ポストを叩いて内側へと跳ね返った。

 都渡は佐賀県予選決勝戦で左足クロスからMF江頭弘太主将(3年)の決勝ゴールをアシスト。自主練習でも磨いてきた左足は、大一番で再び、輝きを放った。これには「思い切って打て」と話してきたという蒲原晶昭監督も「初めて見たようなシュート」と微笑。選手権全国大会で“普段以上”が加味されたファインショットだった。

 08、09年に佐賀東を2年連続でインターハイ4強へ導いている蒲原監督は都渡にとって尊敬する存在だ。「尊敬しています。経験が違うので(言葉を)参考にしています。今日の試合前とか自分たちが浮ついているときにピシッと言って一致団結させてくれたりする」。

 この日は開幕戦の緊張の中での一戦となったが、指揮官から「会場のざわつきとかシャットアウして試合だけに集中しろと言われていた」という選手たちは開幕戦であることを意識せずに、試合だけに集中して勝利。「自分が思ったよりも緊張しなかったです」と振り返った都渡にとっては、指揮官の言葉の力も改めて実感するゴールとなった。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2017

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