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神様が与えてくれた「試練」。乗り越えて、全国へ戻ってきた山梨学院FW加藤の目標は日本一と得点王

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山梨学院高のU-18日本代表FW加藤拓己主将

 第96回全国高校サッカー選手権が12月30日に駒沢陸上競技場で開幕した。今大会の得点王候補、山梨学院高のU-18日本代表FW加藤拓己主将(3年)にとって選手権は待ち焦がれていた舞台だ。

 1年時にU-16日本代表に選出されて以降、U-17、U-18日本代表にも名を連ねてきた加藤だが、1年時の選手権予選は決勝戦で敗退。昨年はエースストライカーとして全国出場に貢献しながらも、予選後の負傷によって全国大会のピッチに立つことができず。それでも、主将を務める今年度の選手権予選では初戦から3試合連続ゴールを決めるなどエース、主将として選手権に戻ってきた。

 卒業後は名門・早稲田大へ進学。圧倒的な競り合いの強さ、凄みすら感じられるゴール前でのプレー、馬力十分の突破、そしてゴールに注目の加藤に、米子北高(鳥取)との強豪対決から始まる選手権への意気込みを聞いた。

山梨学院高FW加藤拓己主将(3年)
―しっかりと、自分の力で選手権の舞台に戻ってきた。
「自分だけの力だけじゃなく、チーム全員で戻ってくることができました。決勝では自分、何もしていないですし(得点には絡んだものの、無得点)。その分、ここに蓄えているのでしっかり決めきりたいです。6勝すれば優勝なので、そんなに甘くないですけれども、目標は高く、常にやっていければいい」

―昨年の全国大会は負傷は欠場。ここで爆発するための3年間だったと思うが?
「去年なんかは、『神様が自分に試練を与えてくれたんだ』と思っていて、神様は越えられない壁は与えないというじゃないですか。それを越えてこそ強くなるというところで、それを自分は越えてくることができましたし、自分一人ではなく、たくさんの人々が支えてきてくれて、ここまで来ることができた。今回は自分のためじゃなく、復帰するまで関わってくれた全ての人に対する感謝の大会だと思っている。誰よりも結果を求めていきたいです」

―映像を見ていても凄みが伝わってくるようなプレーをしているけれど、どのようなプレーを見せたい?
「競り合いでは本当に勝ち続けていきたいです。全国に来れば、山梨よりも全然レベルの高い相手とやることになるので、競り合いでは絶対に負けない且つ得点をしっかり決めてチームを勝たせられるような選手に、そしてチームを引っ張っていけるようなプレーをしたいと思います」

―プロには行かないけれど、『コイツ、エグいな』というくらいのプレーを。
「結局、ここまでプロはどこからもオファーかかっていないので、この大会でJクラブが『オファーをかけておけば良かった』と思うような選手、そして大学まで追ってもらえるような選手になりたいと思います」

―目標を教えてください。
「優勝です。難しいですけれども、一戦必勝で最終的に、8年前と同じように優勝できるように。横森総監督と安部監督含めスタッフの方々を胴上げできるように、しっかり笑顔で終わえるように、全員で頑張っていきたいです」

―個人としても(大会得点記録の)10という数字がモチベーションになっていると思うが?
「11とは言わず15くらい取れるように(微笑)。でも、そんなに甘くないので、まずはチームに徹して、その中で勝てればそれほど良いことはないので、チームの勝利を求めながら、得点王を目指していきたいなと思います」

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2017

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