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[MOM2373]高川学園GK安部洋一郎(3年)_PKは「10何本蹴ってやっと1本くらい」のGKが読みピタリ。好守で勝利導く

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PK戦4人目、シュートを止めた高川学園高GK安部洋一郎がガッツポーズ。(写真協力=高校サッカー年鑑)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.31 全国高校選手権1回戦 清水桜が丘高 1-1(PK3-5)高川学園高 フクアリ]

 1-1で突入したPK戦。高川学園高のGK安部洋一郎(3年)は4人目が勝敗を分けると感じていたという。「相手の4番目の時にこれを決めるか、止めるかで勝敗が大きく決まると思っていたのであそこで止められて良かったです」。勝負を左右すると分析していた清水桜が丘高の4人目は、注目エースFW白井海斗(3年)だったが、シュートを完璧に止めたGKが前半のビッグセーブも含めてヒーローになった。

 PK戦では相手の助走のリズムを見て跳ぶ方向を選択。白井は時間を掛けて助走し、リズムを変えてきていたが、それはスカウティングで分析済みだった。「元々分析はしていて、ゆっくり助走取ってくるので、最後まで我慢して対応しようと思っていました。わざと右にキックの直前にフェイントを入れて元々左に止めることを決めていました」。一つフェイントを入れて左へ跳ぶと、読み通りに飛んできたボールを完璧セーブ。直後に左SB浜下光輝(3年)がシュートを決めて高川学園が勝利した。

 読み、反応を見る限り、PKを得意としている印象だったが、実はPK戦を得意としているのではないという。「(練習でも)10何本蹴ってやっと1本止めてくれるくらい」と苦笑いする。それでも、先制直後に同点ゴールを献上してしまったこの日は、切らさずに心の準備を整え、臨んだPK戦で大仕事をした。

 前半28分には抜け出してきた相手アタッカーとの1対1をストップ。34分にもPAから決定的なシュートを放たれたが、「DFがニアを切ってくれていたのでファーのところに身体を残しておこう」と1ハンドでセーブした。CB田近洸貴(2年)らDFラインの奮闘やクロスバーに救われるシーンもあったが、「ゴールに入らなかったら点にはならない。とにかくゴールを守ることを考えていました」という守護神の、ここぞの場面でのファインセーブが高川学園を3年ぶりの初戦突破へと導いた。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2017

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