[12.31 全国高校選手権1回戦 中京大中京高 0-3 長崎総合科学大附高 フクアリ]

　全国大会で決めた公式戦初ゴール。初戦を3-0で制した長崎総合科学大附高(長崎)は、MF小川貴之(3年)が印象的な活躍を見せた。

　前半17分にはクリアボールを拾うと、右前方へ強い縦パス。手前の選手がスルーしたことでボールは小川の狙い通りにMF嶋中春児(3年)の足下へ通る。これを嶋中が強烈な右足シュートでゴールへ叩き込んだ。

　先制点をアシストした小川はこの日、ボランチとして先発したが、選手交代に伴ったポジション変更で左SBへ。複数のポジションをハイレベルにこなす小川は、後半に思い切った攻め上がりから初ゴールを決める。

　後半23分、「守備から攻撃に切り替わった時に、スペースが空いていたら自分たちは攻撃に枚数をかけようということになっていたので」PAまで攻め上がる。すると、左クロスをファーサイドで受けた嶋中が中央へ突進。上手く足下に入ったボールを小川が左足でゴールに叩き込んだ。

「今まで公式試合で1点も決めたことが無かったので、点決めた時は頭が真っ白でした」。ゴールの喜びを爆発させ、勝利をまた喜んだ小川は、長崎県予選決勝(11月12日)の試合後とは全く違う表情をしていた。

　長崎県予選決勝では、1点リードの試合終盤にPAで相手をファウルで止めてしまい、同点ゴールに繋がるPKを献上。チームは延長後半終了間際の決勝点によって勝利したものの、素直に喜ぶことができなかった。「自分のせいで1-1になって苦しい試合になってしまった。(岐阜から長崎でプレーする自分のために)親が見に来ていて、とても残念な試合になった」という当時。だが、その悔しさを忘れずに努力してきたことを証明する活躍で、万能型MFは約1か月半前の無念を振り払った。

(取材・文　吉田太郎)

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●【特設】高校選手権2017