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夏に岩政から学んだ「守備のビジョン」を持つこと。頭で考え、身体を張った流経大柏CB関川が完封勝利

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流通経済大柏高のU-17日本代表CB関川郁万は完封勝利に貢献(写真協力=高校サッカー年鑑)

[1.2 全国高校選手権2回戦 流通経済大柏高 3-0大分西高 フクアリ]

 今大会に出場している2年生の中で最も注目を集めているCBが、まずは無失点で1勝を挙げた。流通経済大柏高のU-17日本代表CB関川郁万(2年)は圧倒的な空中戦の強さを誇るファイター。決勝ヘッドを決めて1-0で勝利したインターハイ準決勝の前橋育英高(群馬)戦のように、「一人で守って点決めて勝つ」ことを目指しているDFだ。

 インターハイでは4得点を決めて得点ランキング2位に入っていることもあり、その攻撃力にも注目が集まっているが、自身初となる選手権全国大会の初戦はセットプレーでタイミングが合わなかったこともあって不発。それでも、守備面での成長を示した。

 大分西高の2トップはいずれも個性のあるFWだったが、先輩CB瀬戸山俊(3年)とマークを受け渡しながら対応。最終ラインの選手が入れ替わられり、相手アタッカーに抜け出されるようなシーンが幾度あったが、そこでピンチを封じていたのが関川だった。「いつも助けられているので今日は助けられて良かった」と振り返ったように、長い距離を走ってスライディングでクリアしたり、身体を張ってシュートブロックするなど存在感ある守りで無失点勝利に貢献した。

 前半に自分が相手を潰すために行き過ぎたり、下がり過ぎたりした部分を修正。「守備のビジョン」を持って守ることは夏までの彼には無かった部分だ。今夏、元日本代表DF岩政大樹(東京ユナイテッドFC)を特別コーチに、CBを対象にした全4回のプレミアムクリニック『NIKE ACADEMY TIEMPO MASTERCLASS』を受講。どうやって守るか「ビジョン」を持つこと、試合中常に考え、修正を繰り返すことを学んで、実践してきた。

「(これまでは力任せに守っていたが)頭で考えたり、守備のビジョンを持つことは少し変わったかなと思います」と関川。まだ集中力を欠いたようなプレーがゼロではないものの、岩政に学んだり、鹿島へ練習参加しながら、より強固なDFに変わってきている。その変化は選手権予選以降、プリンスリーグ関東、プレミアリーグ参入戦含めて公式戦9試合連続で1失点以内に抑えていることが証明。1年後のプロ入りを目指す注目CBが今後も無失点に抑えながら、ゴールも決めてチームを勝たせ、プロや年代別代表のスタッフにアピールする。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2017

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