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[MOM2388]日章学園MF河原淳(2年)_中高一貫校の恩恵、先輩との“阿吽の呼吸”で2ゴール

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2列目左で躍動し決勝点を奪った河原淳

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.2 全国高校選手権2回戦 日章学園高4-1佐賀東高 味フィ西]

「何にもできてないぞ」。1回戦の北陸戦(○3-1)を終えて早稲田一男監督から発破をかけられた日章学園高(宮崎)のMF河原淳(2年)は「今日はやってやろう」と発奮。見事、2ゴールという結果を残した。

 1-1で迎えた前半19分、FW佐藤颯汰(3年)が右サイドをドリブルで駆け上がると、「(佐藤)颯汰くんがサイドを抉ってくれたので、中にくると思って動き出しました」とゴール前までつめていた河原は反応。その動きを見ていた佐藤颯は「最初はシュートを意識してたんですけど、淳が見えたのでうまく合わせた」。河原は左足で流して逆転ゴールを決める。

 さらに後半27分、華麗なパスワークで佐賀東守備陣を崩し切ってチャンスをつくる。MF佐藤詩響(3年)の浮き球に抜け出たMF恩塚幸之介(3年)はゴール前への浮き球のクロスを選択。「(恩塚)幸(たつ)くんが崩したので、ここに上げるかなと思って」と感じた河原は、ダイビングヘッドでダメ押し弾を叩き込んだ。

 阿吽の呼吸で生まれたこの2ゴール。それは長くプレーをともにしてきた経験の賜物だった。日章学園は中高一貫教育で、この日のスタメンはDF神田陸(3年)を除く10人が日章学園中サッカー部の出身。ほかの高校より長い時間一緒にプレーしているだけに、佐藤颯らより1学年下の河原でもボールの出しどころは「だいたいわかります」とコンビネーションに自信を見せる。

 県決勝ではハットトリックしている河原は、アディショナルタイムに全国でのハットトリックのチャンスを迎え、GKと1対1になったが、シュートはGK陣内晃一(3年)にストップされてしまった。「ファーストタッチまではよかったけど、シュートがダメだったので、次の流経戦では決めたいと思います」。続く3回戦でのインターハイ王者・流通経済大柏高(千葉)との対戦を「どこまで自分たちができるのかチャレンジして楽しみたいと思います」と待ちわびていた。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 奥山典幸)
●【特設】高校選手権2017

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