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[MOM2396]一条GK古川裕斗(3年)_“神ってる”守護神は「信じた方向に」読み的中で連続PKストップ

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GK古川裕斗(3年)が殊勲のPKストップ

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.2 全国高校選手権2回戦 桐蔭学園高2-2(PK2-3)一条高 等々力]

「“神ってる”セーブを何度もしてくれた。大会前から調子が良かった」。前田久監督がマン・オブ・ザ・マッチに選んだGK古川裕斗(3年)は鋭い読みで立て続けにPKストップを披露し、一条高(奈良)に勝利をもたらした。

 桐蔭学園に2度リードを許したが、粘り強く食らいつき、ラストプレーで2-2に追いついた一条。「2度もみんなが追いついてくれた。『ここは僕がやらないと』と思っていました」。PK戦に持ち込んでくれた仲間に感謝した守護神は「何が何でも止めようと、必死の思いでした」と覚悟を持ってゴールマウスに立った。

「ど真ん中はないと思ったので、我慢して自分の信じた方向に止めにいきました」。先行の桐蔭学園1人目DF吉田剛(3年)が右に狙ったコースを読むと、横っ飛びで右手で触ったボールを右ポストに当ててかき出した。さらに2人目MF宍戸晃瑶(3年)のキックは左に飛んでストップ。「相手の助走を見ました」と連続でコースを読み、PK3-2で上回った。

「僕が一番気にしているのはキッカーやチームの性格なんですよ。落ち着いて見てくる選手だったら、先に動いたらバレてしまう。80分の中で選手をしっかり見てPKに臨んでいます」

 努力に裏付けされた自信。GK古川が自信を持ってそう話すまでには、積み重ねてきた努力があった。奈良県予選決勝もPK勝ちだったが、自身は「PKは苦手なほうだった」と明かす。ひたすら練習を繰り返し、3年生やコーチからもらったアドバイスを生かした。「先に動いてしまう癖があったけど、自分でも判断の部分を改善できた」と成長を実感。指揮官も「大会前にPK練習に力を入れていた。(PKが)止まるようになってきて自信を持ってきた」と目を細めた。

「去年のベスト16を絶対に超えるという気持ちが後押ししてくれたのかな」。チームを救う大仕事を果たした守護神は「5本中最低でも1本は止めようと思っていた。練習の成果が出てくれたのでホッとしました」と安堵の表情。大舞台で努力の成果を発揮し、さらに自信を深めた。明日3日の3回戦では米子北高(鳥取)と対戦する。一条の歴史を塗り替える16強超えへ、「PKになったら自分がやってやろうと思います」と気合十分だった。

(取材・文 佐藤亜希子)

●【特設】高校選手権2017

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