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「本当にうまかった」昌平を完封!! 「粘り切った」神村学園が3回戦進出

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決勝点を奪った神村学園高(鹿児島)MF高橋大悟(3年=左)を仲間が祝福

[1.2 全国高校選手権2回戦 神村学園高1-0昌平高 浦和駒場]

 第96回全国高校サッカー選手権2回戦が2日、各地で行われ、埼玉・浦和駒場スタジアムでは昌平高(埼玉)と対戦した神村学園高(鹿児島)が1-0の完封勝利を収めた。3回戦進出を果たした神村学園は3日の3回戦で、矢板中央高(栃木)と対戦する。

 神村学園は清水エスパルス加入内定のMF高橋大悟(3年)、昌平は大宮アルディージャ加入内定のFW佐相壱明(3年)と、注目のJ内定選手を擁する両チームの対戦は、前半9分に試合が動く。右サイドからMF中上黎士(3年)が送ったクロスボールは相手選手に跳ね返されたものの、こぼれ球に高橋が反応。トラップでボールを落ち着けて、すぐさま巧みに左足で合わせると、コントロールされたボールがネットを揺らし、神村学園が先制に成功した。

 エースの2試合連続弾で神村学園が勢いに乗るかと思われたが、この後、主導権を握って試合を進めたのは1点のビハインドを背負った昌平だった。ボランチのDF吉田航(2年)とMF原田虹輝(2年)が攻撃の舵を取り、2列目のMF渋屋航平(2年)やMF森田翔(2年)が果敢な突破でゴールに迫り、前半18分には中央突破した渋谷のラストパスから佐相が狙うもゴールマウスを捉え切れなかった。

 さらに前半26分には佐相のパスからPA内に侵入したMF伊藤雄教(2年)が決定機を迎え、飛び出したGK冨吉優斗(3年)よりも先にボールに触れて放ったシュートがゴールマウスへと向かったものの、カバーに入ったDF野見山智也(3年)のヘディングによるスーパークリアに遭って同点ゴールを奪うには至らなかった。

「相手が後半取りに来ると分かっていた。そこで何とか引っかけてカウンターに持っていきたかったけど、守備に回る時間が長くなってしまった」と神村学園の有村圭一郎監督が振り返ったように、後半も『攻める昌平』『守る神村学園』の図式は変わらず。だが、野見山とDF愛川陸斗(3年)の2CB、GKの冨吉を中心とした神村学園守備陣の集中力は途切れることなく、昌平の攻撃を跳ね返し続ける。

 何とか同点に追い付きたい昌平は後半10分にMF山下勇希(3年)、同18分にMF古川勇輝(2年)と交代カードを切り、より圧力を強めていくが、同23分にDF堀江貴大(2年)の折り返しから放った古川の至近距離からのシュートが冨吉に弾き出されるなど、どうしてもゴールを奪えない。神村学園も最前線のFW大山尚一(3年)を狙ったロングボールからカウンターに転じようとするが、「疲弊していて、スピードに乗って上がれなかった」(有村監督)と効果的な攻撃を繰り出すことはできなかった。

「相手がうまいとは知っていたけど、しのぐ時間が長くなってしまった」(有村監督)神村学園だが、最後まで昌平にゴールを許さずに1-0の完封勝利を収めて2回戦突破を決めた。「選手たちも『本当にうまかった』と言っていた」という昌平に押し込まれながらも、「最後の最後まで諦めずにやってくれた。よく粘り切った」ことで白星を獲得した。

 次戦は翌3日に行われ、同会場で矢板中央と対戦する。「疲れたとか言ってられない」と苦笑した指揮官は、「昌平さんの気持ちを考えたら、僕らは簡単に負けるわけにはいかない。それは背負って戦いたい」と視線を上へと向けた。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 折戸岳彦)

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