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「想像以上だった」前橋育英の強さ…初芝橋本DF上原に悔いなし

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キャプテンマークを巻いて奮闘した初芝橋本DF上原真尋(3年)

[1.2 全国高校選手権2回戦 初芝橋本高0-5前橋育英高 ニッパツ]

 目を真っ赤に腫らしながらも胸を張った。2年ぶり15回目の出場となった初芝橋本高(和歌山)は前橋育英(群馬)に0-5の完敗。出場5大会連続の初戦敗退で和歌山県勢としても7大会連続の初戦敗退に終わったが、キャプテンマークを巻いてフル出場したDF上原真尋(3年)は「0-5で負けたけど、悔いはない」と、前回準V校相手の80分間を振り返った。

「初戦ということもあって、全員が緊張して、体が硬くて、いつもやっているプレーができなかった」。全国大会の雰囲気に飲まれる中、前橋育英の攻守の切り替えの速さ、セカンドボールへの反応速度、球際の強さにも圧倒された。「相手は優勝候補。僕たちはチャレンジャーだった」ことは分かっていたが、「想像以上だった。スピード感も全然違った」と、想定を超える強さに脱帽した。

 阪中義博監督は「ポジショニングの差で負けていた」と指摘する。「うちも頑張って切り替えてやっているけど、セカンドボールも相手が全部取って、うちが持っている機会はほとんどなかった。弾き返しても弾き返されて、結局、相手ボールになっている。差がありすぎた」。シュート数は2本対18本。完敗には違いないが、「今日は出し切ったと思う。これがもうマックス」と、最後まで下を向かずに戦い抜いた選手たちを称えた。

 4大会ぶりの得点、7大会ぶりの1勝には届かなかったが、この経験が選手たちの財産になる。「正直、かなうような相手ではなかったかもしれない。でも、(選手には)これからがある。『これがいい経験だと思ってやってみろ』『こんな奴らがいるんだよ』と。上には上がいるし、これ以上もいるかもしれない。あとはお前ら次第だぞと」。スタメンのうち10人を占めた3年生にそうエールを送った阪中監督。卒業後は大阪商業大に進学予定の上原は「1年からベンチに入れるようにしたいし、その先はプロに行けるように頑張っていきたい」と、次なるステージでのさらなる成長を誓った。

(取材・文 西山紘平)

●【特設】高校選手権2017

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