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「きれいなサッカーでなくても」高さを押し出し猛攻も…仙台育英は1点に泣く

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オーバーヘッドで狙う仙台育英FW佐藤一輝(3年)

[1.2 全国高校選手権2回戦 米子北高1-0仙台育英高 ニッパツ]

 立ち上がりの失点が最後まで響いた。仙台育英高(宮城)は前半3分の失点で米子北(鳥取)に0-1の惜敗。城福敬監督は「これだけの相手に対し、ミスから奪われる失点が重くのしかかることは覚悟していた。それを跳ね返そうという意気込みは出せたが、それが結果につながらなかった」と試合を振り返った。

 米子北の厳しい寄せや豊富な運動量に苦しめられながらも決定機はつくった。前半22分、後方からのロングパスに抜け出したFW角田海斗(3年)が左足でシュートを放つが、右ポストを直撃。DF貝森海斗(3年)の正確な左足が繰り出すFKやDF石川巧実主将(3年)のロングスローなどで何度もゴールに迫った。

「うちにアドバンテージがあるとすれば、空中戦であったり、きれいなサッカーではなくてもロングボールからゴール前になだれ込んでいくようなプレー。そこが唯一、米子北と対等にできるところという話は試合前からしていた」。城福監督がそう話すとおり、スタメン11人の平均身長では米子北の170.0cmに対し、仙台育英は175.7cmと大きく上回っていた。

 後半13分からは181cmの長身FW菅井大翔(2年)も投入。高さを前面に押し出し、1回戦の高松商戦(3-2)でハットトリックを記録したFW佐藤一輝(3年)も左サイドから前線に上げて反撃を目指した。しかし、後半15分、石川のロングスローのセカンドボールからMF伊藤大貴(3年)の右クロスにフリーで合わせたDF志村滉(2年)のヘディングシュートはGKがキャッチ。同21分にも菅井の突破からMF佐藤圭太(3年)、さらには貝森が立て続けにシュートを打ったが、GKの連続セーブに阻まれ、1点が遠かった。

「チャンスは絶対にある。でも、そこの精度が悪かったら、全国で上に行くのはノーチャンス。それを身を持って体験できた」。自分たちの持ち味は出せた。しかし、チャンスをつくっても決め切れなければ、結果にはつながらない。城福監督は「今の1、2年生にはこの経験を是非生かしてほしい。自分たちのやるべきことを繰り返すことは大事。でも、それを繰り返しても精度がなければ入らない」と、さらに細部にこだわっていくことを求めた。

(取材・文 西山紘平)

●【特設】高校選手権2017

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