[1.2 全国高校選手権2回戦 長崎総合科学大附高2-1高川学園高 オリプリ]

　決めるべき選手が拮抗した試合を動かした。長崎総合科学大附高のエースFW安藤瑞季(3年)は前半32分、密着マークに遭いながらもPA外からのミドルシュートで貴重な先制点を奪取。試合後には、3回戦で対戦する青森山田高のFW郷家友太(3年)への想いも口にした。

　安藤は0-0で迎えた前半32分、PA外で後ろ向きでボールを持つと、鋭いターンで振り向いて右足を一閃。低くコントロールしたシュートはゴール右隅を突き、試合を優位に進める先制弾を沈めた。「マークが厳しいぶん、遠くから狙おうと思っていた。相手をはがして決められてうれしかった」。世代屈指のストライカーとして、どんな状況でも決められるところを見せつけた。

　これで今大会2得点目。この日は、同じく得点王の有力候補と目され、U-18日本代表で共にプレーする郷家が初戦を迎えたが、早速2ゴールを決めたため、「負けたくない」(安藤)相手と得点ランキングで並ぶこととなった。

　しかしながら、「2点で得点王になった選手はいないので」と過度な意識はしていないという。得点数の目標はあくまでも「11得点」であり、10年前にFW大迫勇也が挙げた大会記録を超える数字だけがターゲット。あらためて「一つ一つ積み重ねていく」と前を見据えている。

　とはいえ、郷家との対戦を楽しみにする気持ちはあるようだ。C大阪加入が発表された時には「『俺に言うことがあるだろう』と急に携帯電話で連絡が来た」といい、「言うのを忘れていたんですけど、うれしそうに『おめでとう』って言ってくれた。長崎と青森で遠くにいますけど、代表でできた絆にうれしく思う」とライバルへの率直な気持ちを明かした。

　そんな3回戦は3日、休養日を挟まずにやってくる。チームとしては「自分たちの受けに立つ姿勢がダメだった」と内容面で課題を残すが、得点を積み重ねるためには「チームが勝ち進むことは絶対条件」と道を譲るわけにはいかない。「次につながるチャンスがあるので、全身全霊で頑張りたい」と覚悟を持って決戦に臨む。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文　竹内達也)

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