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「格上のチームだった」前橋育英が2年連続埼スタ切符!!米子北は県勢初4強ならず

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前橋育英高(群馬)が2年連続の4強入り

[1.5 全国高校選手権準々決勝 米子北0-3前橋育英 駒沢]

 第96回全国高校サッカー選手権の準々決勝が3日に行われ、前橋育英高(群馬)が米子北(鳥取)に3-0で快勝した。昨年度準優勝の前橋育英は2年連続4強入り。埼玉スタジアムで行われる6日の準決勝は第2試合で上田西(長野)と対戦する。

 前橋育英は3回戦富山一戦(1-0)で右膝上を打撲した主将のMF田部井涼(3年)がスタメンから外れ、MF秋山裕紀(2年)がボランチの一角に入り、MF塩澤隼人(3年)がキャプテンマークを巻いた。山田耕介監督は「田部井涼がいなくてどうなるかと思ったけど、塩澤がリーダーシップをとってくれた」と称賛。チームとして80分間を通して隙を見せず、試合を支配した。

 前橋育英は序盤からボールポゼッションを高め、セットプレーで試合を動かした。前半21分、MF田部井悠(3年)が右CKを蹴り混むと、米子北DF赤嶺孝愛(3年)がファーサイドでクリアを試みたボールをU-18日本代表DF{{角田涼太朗}(3年)}が左足で押し込み、先制に成功した。

 米子北に攻撃の形をつくらせず、一方的に前橋育英が攻め込む時間帯が続く。前半27分、MF五十嵐理人(3年)のパスを受けて左サイドをえぐったDF渡邊泰基(3年)がゴールライン際、角度のない位置から鋭いクロス。GK佐藤壮太(3年)が弾いたこぼれ球をFW榎本樹(2年)が右足で押し込み、2-0で前半を折り返した。

 ハーフタイム、米子北・中村真吾監督は「2失点なら大丈夫。ラスト20分は絶対に走り勝てるから畳み掛けよう」と選手たちをピッチに送り出し、後半開始と同時に2人を変更。赤嶺を下げて左サイドバックにDF田中秀磨(1年)、FW城市太志(3年)を下げて2トップの一角にMF高橋諒(2年)が入った。交代策から流れを変えようとしたが、前線までパスがつながらない。

 前橋育英は素早い攻守の切り替えからチャンスをつくり、セカンドボールを回収。後半12分、PA左手前の位置から五十嵐が右足ミドルで狙ったが、GK佐藤がセーブ。後半13分に最初の交代枠を使い、榎本を下げてMF高橋周(3年)を投入。その後も圧倒的に押し込むと、後半19分、MF高橋の右足シュートがクロスバー上部を直撃。後半23分にも右CKからG大阪内定DF松田陸(3年)がシュートを放ったが、再びクロスバーを叩いた。

 惜しくもチャンスを逸したものの、迎えた後半28分に追加点。秋山の右クロスを受けたFW宮崎鴻(3年)がPA内で切り返し、左足シュートをゴール左下隅に突き刺した。勝利を決定づけるダメ押しの3点目。圧巻の試合内容にも、山田監督は「手詰まり感があったというか、もう少し裏を突くとかコンビネーションがあっても良かった」と満足しなかった。

 最後の反撃に出た米子北は意地を見せ、後半アディショナルタイム3分、MF佐野海舟(2年)のロングキックに反応したFW岡田大和(1年)がスルーパス。PA内左に抜け出したFW葉間田累(2年)が右足で狙ったが、ゴールはこじ開けられず、0-3で敗戦。同校初、鳥取県勢25年ぶりの8強入りを果たした米子北の快進撃はここまで。鳥取県の歴史を塗り替える4強入りとはならなかった。

 ラスト20分に走り負けない自信はあったが、流れは引き寄せられなかった米子北。最終ラインを率いた主将のDF三原貫汰(3年)は「相手の体力が全然落ちなくて、最後まで堅い守備だった。攻めるチャンスも少しはあったけど全然崩せなかった」と振り返ると、「自分たちより格上のチームだったと思います」と脱帽。中村監督も「完敗だと思います。隙がなかった。本当に何もできなかった」と相手の強さに唸るしかなかった。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 佐藤亜希子)

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