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上田西の“飛び道具”が炸裂!ロングスローからの決勝弾に敵将も「心折られた」

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上田西のFW田嶌遼介(3年)がロングスローで決勝点を演出した

[1.5 全国高校選手権準々決勝 明秀日立高2-3上田西高 駒沢]

 相手にダメージを与える最高の時間帯だった。2-1で前半を折り返した上田西高(長野)は後半立ち上がりの1分、左サイドからFW田嶌遼介(3年)がロングスローを放り込むと、ニアのFW根本凌(3年)が頭でそらし、DF田辺岳大(3年)が左足で蹴り込んだ。

「練習どおりの形で、ロングスローをそらして自分の目の前に転がってきた。決めてやろうと思った」と田辺。3-1とリードを2点に広げる追加点が結果的に決勝点となり、「チームを助けたという意味でうれしい」と笑みをこぼした。

 3日の3回戦・帝京大可児戦(5-0)でもロングスローから再三チャンスを演出した田嶌はこの日も前半38分からの途中出場。「(ベンチスタートに)悔しい気持ちはあるけど、そこはチームのために切り替えて、ゴールやアシストという結果を残そうと思った」と、自分の役割に徹し、帝京大可児戦の2アシストに続いてゴールを演出した。

 明秀日立からすれば、警戒していたはずのロングスローからの痛恨の失点だった。明秀日立の萬場努監督は「外に出ると、全部長いボールになるというのはやりづらかった」と認める。「星稜戦のときも(ロングスローから)取られてもおかしくないシーンはあった。こういうときに1点取られるというのは、もうちょっと勉強しろと言われているということだと思う」と唇を噛んだ。

 しかも後半開始から1分にも満たない時間帯での失点。「(後半立ち上がりから)攻めようと思って出ていって一発食らうのは、心が折られた状況になる」と、上田西の“飛び道具”に出はなをくじかれ、その後も反撃も1点止まりだった。

 上田西、明秀日立ともに初の3回戦、初の準々決勝だった。みたび歴史をつくったのは長野県勢初の4強入りを果たした上田西。田辺は「長野県の歴史に名を刻めたのは良かった。あと2勝して優勝したい」とベスト4に満足することなく、さらなる高みを見据えた。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 西山紘平)

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