beacon

県内ライバルの雰囲気に“引いていた”エースが全国で躍動中。上田西FW根本が決勝アシスト!

このエントリーをはてなブックマークに追加

上田西高の10番FW根本凌(写真協力=高校サッカー年鑑)

[1.5 全国高校選手権準々決勝 明秀日立高 2-3 上田西高 駒沢]

 2得点を挙げた帝京大可児高戦に続く2戦連発はならなかったが、上田西高の10番FW根本凌(3年)が決勝点をアシストした。2-1の後半開始直後、FW田嶌遼介(3年)の左ロングスローをニアサイドで競り勝って頭でそらすと、中央のDF田辺岳大(3年)が左足でゴール。この1点が決勝点となっただけに、チームにとって大きな1プレーだった。

 この日、根本は180cm台の選手が並ぶ明秀日立の最終ライン相手に奮闘。「昨日よりは収まって自分的には良かった」と振り返ったように、前線でボールを収めて、味方の攻撃に繋げていた。また、スピードもある根本が前線でロングボールを追ったことで明秀日立は苦しいクリアが増加。上田西はこれで得たロングスローやCKからゴール前での攻防を増やし、反撃したい相手を勢いづけなかった。

 高さとスピードを併せ持つ注目ストライカーは高校卒業後、九州の強豪・鹿屋体育大へ進学する。全国4強入りしたチームのエースストライカーである根本の知名度も少しずつだが、向上中。大学1年目から出場機会を得ること、将来のプロ入りも目指すFWは全国でさらなるアピールを目指す。

 長野県内のライバルにも近づく。湘南内定FW新井光は長野県予選決勝で戦った市立長野高のエース。「自分でドリブルで運ぶこともできるし、味方を使って自分が活きるプレーもできるし、全てが揃っている。負けたくなかったし、彼代表だったから、ビビって負けていたら成長できない、彼よりも頑張りたいと思っていた」というように、彼は意識する存在だった。

 だが、これまで特別会話をしたことは無し。「しゃべれないです。すれ違ったりする時も雰囲気とかあって、話しかけづらいです」と苦笑い。年代別日本代表歴を持つプロ内定選手のオーラに“引いてしまっていた”が、今大会で「自分もできる」ことを感じてきている。そのFWが準決勝でもチームを勝たせる活躍をして、その自信を絶対的なモノにする。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2017

TOP