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3回戦は先発もわずか12分で交代。上田西FW上原が繋いでくれた仲間のために走り、PK獲得の大仕事!

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上田西高FW上原賢太郎はPK獲得の大仕事

[1.5 全国高校選手権準々決勝 明秀日立高 2-3 上田西高 駒沢]
 
 帝京大可児高との3回戦では先発出場も前半12分で途中交代。チームは5-0で勝ったものの、もちろん悔しい思いがあった。だが、明秀日立高戦でも再び先発起用された上田西高FW上原賢太郎(3年)はただ悔しさをぶつけるだけでなく、チームメートのことを思って戦った。それが同点ゴールに繋がるPK獲得などの活躍に結実。個人としても悔しさを一つ晴らすプレーで勝利を喜んだ。

 0-1の前半16分、相手DFラインの背後に落ちたボールをCBが処理。「相手のDFが後ろ向きで、しつこく追っていけばミスがあるなと思った」という上原がPAでDFと上手く入れ替わったところで倒されてPKを獲得する。上原は自分が蹴りたいという意志を示したが、「チームのために」PKキッカーのDF大久保龍成(3年)に譲り、その大久保が右足で同点ゴールを突き刺した。

 この日の上原は前線で空中戦を競り合い、相手DFラインの背後に落ちたボールを狙って走り回った。その高さ、コンタクトの強さで相手を苦しめたFWは後半6分に交代するまで自分の役割を全う。リードしたまま仲間たちに託すと、その仲間たちがリードを守り、準決勝進出に繋いでくれた

 12分で交代した3回戦後には白尾秀人監督やコーチングスタッフ、チームメートたちとコミュニケーションを取って、ポジティブな思考に切り替えることができたという。仲間たちは彼に「勝ったことで繋がった。出れないメンバーもいるし、そういった人たちの分も次があるんだから前を向いて頑張れ」とエール。その言葉に応えるように走り続けた上原を白尾監督も評価していた。

 ピッチで戦うことができなくても、スタンドで声を枯らしてくれている3年生たちがいる。この日、「3年生の思いも含めてピッチで戦えればいいと思って戦った」という上原は、連戦となる準決勝でも与えられた時間の中で走り続けてチームに貢献するだけだ。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2017

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