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浅野以来の大会7ゴール、決勝ハットで大迫に並ぶ前育FW飯島陸「目指していく」

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前半27分、前橋育英FW飯島陸(3年)が右足で追加点を決める

[1.6 全国高校選手権準決勝 上田西1-6前橋育英高 埼玉]

 得点ランキングを独走している。前橋育英高(群馬)のFW飯島陸(3年)は準決勝で2ゴールを決め、今大会通算7ゴール。3得点で9人が並ぶ2位タイに4点差を付け、「大会前から目標だった」という得点王の座をほぼ手中におさめている。

 全国高校選手権での1大会7ゴールは、11年度大会で四日市中央工(三重)2年だったFW浅野拓磨(現シュツットガルト)が7ゴールで得点王に輝いて以来、6大会ぶり。08年度大会で鹿児島城西(鹿児島)のFW大迫勇也(現ケルン)が樹立した10ゴールの1大会最多得点記録にもあと3点となり、「1試合で3点取るのは難しいけど、目指していきたい」と、流通経済大柏(千葉)との決勝では貪欲にゴールを狙う決意だ。

 毎試合、チャンスは数多くある。大会初戦となった2回戦・初芝橋本戦(5-0)では、07年度大会準決勝で流通経済大柏のFW大前元紀(現大宮)が記録して以来、10年ぶりとなる1試合4ゴールをマーク。3回戦の富山一戦(1-0)でも値千金の決勝点を決めた。

 準々決勝の米子北戦(3-0)こそ無得点に終わったが、この日は1-0の前半27分、FW榎本樹(2年)のラストパスに走り込み、切り返して右足で追加点。4-1の後半41分にもGKからのロングキックをFW宮崎鴻(3年)が頭で流したところに抜け出し、左足でゴール右隅に流し込んだ。

 ただ、他にも決定機はあった。シュート数は両チーム最多の8本。「2点取れたことはうれしいけど、まだまだミスが多くて、決め切れていないところがある。そこは改善していけるようにしたい」と満足はしていない。

 決勝の相手となった流通経済大柏は夏の全国高校総体準決勝で対戦し、0-1敗れた因縁の相手だ。当時、飯島は右足首の負傷を抱え、プレー時間に制限があった。流通経済大柏戦も0-1の後半22分からの途中出場。個人としても不完全燃焼に終わった。

「(流通経済大柏には)勝負強いイメージがあるけど、そういう相手にも勝っていける力はある。自分が決めてチームの勝利に貢献できたらうれしい」。今大会無失点で決勝まで勝ち上がってきた総体王者にも、「(点を)取れない相手じゃない。絶対にチャンスはある。そこで確実に決めたい」と力説する。

 2年生のときから10番を背負ってきた飯島。青森山田(青森)に0-5で大敗した前回大会の決勝にも先発していたが、0-4の後半29分に途中交代でベンチに下がると、大粒の涙をこぼした。「ここ(決勝)に戻ってこれたのはうれしい。去年のリベンジを果たすチャンスが来た」。前橋育英としても3度目の決勝で悲願の初優勝なるか。得点王、そして日本一へ、166cmのエースは「先輩たちの歴史を超えるチャンス。優勝したい」と力強く話した。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 西山紘平)

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