beacon

[ニューバランスカップ]昨季躍進・東海大相模、市立船橋に3発勝利!「勝ったことで自信になる」と指揮官

このエントリーをはてなブックマークに追加

MF中山陸(2年、背番号6)の2得点で市立船橋高に勝利した東海大相模高

[1.6 NB CUP in時之栖準決勝 東海大相模高 3-1 市立船橋高 時之栖裾野G]

 第96回全国高校サッカー選手権出場を逃した強豪48校の新チームが2018年のスタートを切る「2018ニューバランスカップin時之栖」(通称:裏選手権)は6日、準決勝を行った。神奈川県予選8強の東海大相模高は千葉県予選準優勝の市立船橋高と対戦し、3-1で勝利した。

 東海大相模は新チーム結成後、練習試合で対戦した東福岡高、長崎総合科学大附高など選手権出場チームを撃破。今大会では大谷室蘭高、四日市中央工業高、武南高との予選リーグを3連勝で突破し、決勝トーナメントでは前年度覇者の西武台高、八千代高を破って勝ち上がった。

 一方の市立船橋は昨年末に行われた横山杯決勝で前橋育英高に惜敗。帝京安積高、日本航空高、東海大仰星高との予選リーグを10得点1失点の3連勝で勝ち抜き、決勝トーナメントでは帝京長岡高、桐生第一高を共に完封勝利で破ってきた。

 どちらも4-3-3のシステムを採用し、アンカーが2人のCB間に入ってビルドアップを進める両チーム。序盤は前から追いかけるプレッシングでパスをつなげない場面も見られたが、次第に球際で上回るようになった東海大相模が主導権を握った。

 前半5分、東海大相模は右ウイングのMF横山翔大(2年)がカットインシュートを放ち、直後の6分に試合を動かす。左サイドから攻め込み、中央のMF中山陸(2年)にパスが入ると、PA外で前を向いて右足を一閃。GK田中悠也(2年)の手をかすめたボールはゴール右隅に突き刺さった。

 先手を取られた市立船橋も徐々にペースを取り戻す。失点時に危険なエリアを空けてしまったアンカーのMF田谷澪斗(2年)が左右にボールを散らすと、FW森英希(1年)のドリブルを中心に攻撃を展開。そこを起点に14分、MF井上怜(2年)のパスに反応して左を抜けたDF岡井駿輔(2年)のクロスを、DF余合壮太(2年)がスライディングシュートで押し込んだが、惜しくもオフサイド判定となった。

 すると25分、MF有馬和希(2年)のパスやFW女井寛司(2年)の突破で勢いを増す東海大相模が追加点を奪う。1点目と同じようなポジショニングでパスを受けた中山が前を向き、再び右足でミドルシュートを放つと、アウト回転がかかったボールはゴール右隅に吸い込まれていった。

 「引いてしまう、構えてしまう」(朝岡隆蔵監督)という対応から、前半のうちに2点のビハインドを負った市立船橋。35分ハーフの残り時間は、FW城定幹大(2年)の裏抜けで得点機をうかがったが、狙いを持ってオフサイドを取りに来る東海大相模の守備陣を前に有効な一手を繰り出せない。

 一方の東海大相模にとっては、理想的な展開となった。「続けていこう!」「早いうちに3点目を取ろう!」――。右サイドバックのDF川浪豪恋(2年)が中心となって互いに声を出し合い、良い雰囲気のまま前半を終えることに成功した。

 後半は市立船橋が意地を見せる。左センターバックに入ったDF橋本柊哉(2年)の球出しを起点に、岡井、井上らが左サイドで攻撃を展開。FW郡司篤也(2年)の投入で勢いをつけると、7分、GK夏井隆太(2年)との1対1を迎えたFW鈴木唯人(1年)がPA左寄りから落ち着いて決め、1点を返した。

 ところが、東海大相模も流れを渡さない。14分、左サイドを突破した女井のマイナスへのクロスをFW吉田浩太(2年)が後ろに落とし、PA外で待っていた有馬がミドルシュート。これがネットを揺らして、勝負あり。そのままのスコアで試合を締め切り、高円宮杯プリンスリーグ参入を逃した“タイガー軍団”がプレミア勢の強豪校に勝利を収めた。

 市立船橋の朝岡監督は試合後、PA外からの3失点について「ボールに寄れず、シュートを打たせない守備ができなかった」と敗因を指摘。「昨シーズンは2年生が多く出ていたことで、今年は行けると思っていたんじゃないか。弱いということを自覚しなければならない」と手厳しく述べた。

 一方、東海大相模の有馬信二監督は「組み合わせが決まった時、市船さんとやれればいいなと思っていた。そこで勝ったことで大きな自信になる」と手応えを得た様子。「今年のチームは主体的にやろうという選手が多い。強い者に堂々と向かっていくメンタリティーがある」と今後のシーズンに期待を寄せていた。

(取材・文 竹内達也)

TOP