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[MOM2416]東海大相模MF中山陸(2年)_市船破ったミドル2発! 大島僚太に憧れる川崎Fサポ「優勝の瞬間は…」

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ミドルシュートで2得点を叩き込んだ東海大相模高MF中山陸(2年)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.6 NB CUP in時之栖準決勝 東海大相模高 3-1 市立船橋高 時之栖裾野G]

 MF大島僚太を目標にしているという川崎フロンターレサポーターの右足が、市立船橋のゴールネットを立て続けに揺らした。東海大相模高MF中山陸(2年)はニューバランスカップ(通称:裏選手権)の準決勝で、前半25分までの間に2得点を記録。いずれも針の穴を通すようなミドルシュートで、ゴール右隅をしっかりと打ち抜いた。

 中山は市立船橋戦の前半5分、PA外で素早く前を向くと、右足を一閃。鋭く飛んだボールはGKに触れられながらも、豪快にゴールネットへ突き刺さり、貴重な先制点を奪った。さらに、これだけでは終わらない。25分にも、同じようなポジショニングで右足を振り抜くと、同じコースを狙い澄まして2点目を導いた。

「去年のチームはミドルシュートが少ないことが課題だったので、どんどん遠目から打つようにしている。前はふかすこともあったんですが、うまく抑えつつ、インパクトのあるシュートを狙っています」。そんな“飛び道具”は、新チームを迎えた東海大相模の得点源。この後に行われた決勝戦でも、同じコースを射止めたのだからそのスキルは本物だ。

 有馬信二監督の長男であるMF有馬和希(2年)とともにSC相模原U-15から入団し、もうすぐ最上級生となろうとしている中山。初の全国総体出場を果たした昨季に出番をつかみ、U-17関東トレセンの経験も持つ有望選手だが、ピッチを離れれば別の顔を持つ。それはJリーグで初優勝を果たした川崎Fのサポーターとしての一面だ。

 本人は「サポーターになりそう?というくらいです」と遠慮気味に話したが、等々力陸上競技場での観戦頻度は「練習や試合がなければ、ホームで試合がある時には行く」というもの。大島、MF中村憲剛、MFエドゥアルド・ネットのパス回しに魅力を感じているといい、「ゆったりと相手を動かしてからの縦パスが好き」と素直な憧れを持って見ているようだ。

 初タイトルとなったリーグ優勝の瞬間も、等々力の地で立ち会っていたという。「めっちゃうれしかったです。ベンチから選手みんなが飛び出してきて、自分も泣きそうになりました」。いたって冷静沈着に見えるプレーぶりとは裏腹に、目をキラキラと輝かせながらクラブへの愛着を語ってくれた。

 目標の選手に大島を挙げるように、プレースタイルはゲームメーカー。この試合ではミドルシュートが目立ったが、「普段はスルーパスも……」と自信ものぞかせる。有馬監督も「彼は姿勢が良いんですよね」と指摘。「だから状況判断が良いし、次の動きのための準備ができている。スカウトからも評価が高いですよ」と大絶賛だった。

 もっとも、本人は現状の自身に満足しているわけではない。昨年秋、関東選抜のトレーニングでU-15日本代表の有馬賢二監督に指導を受けた際、「プレスやディフェンスの意識」を要求され、「読みの良さを意識して守る」ことにトライ。「速いスピードでもプレーできること」を目指しているという。

 今後の目標は「点を取って、アシストもして、声を出して、チームを全国優勝に導く」というもの。自らに厳しいタスクを課しているが、それは目指すところが高いからこそ。そんな野望を実現できた時には「もし呼ばれることができるなら、行きたいですね。やっぱりフロンターレに行きたいです」という夢も、きっと叶うことだろう。

(取材・文 竹内達也)

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