beacon

自分のゴールは決勝で…3アシストの前育FW榎本「大事なところで決めたい」

このエントリーをはてなブックマークに追加

前橋育英FW榎本樹(2年)はゴールこそなかったが、3アシストを記録

[1.6 全国高校選手権準決勝 上田西1-6前橋育英高 埼玉]

 得点こそなくても、その存在感は際立っていた。前橋育英高(群馬)のFW榎本樹(2年)は3アシストを記録し、6発大勝劇の立役者となった。

 1-0の前半27分、PA手前でMF田部井悠(3年)から縦パスを受けた榎本は素早く反転し、PA内に走り込むFW飯島陸(3年)に丁寧なラストパス。切り返しから右足で流し込んだ飯島は「いい感じで走り出して、(榎本)樹がいいボールをくれた」と、2トップを組む相棒のアシストに感謝した。

 1点を返されたあとの前半35分にもカウンターから絶妙なスルーパスを通し、MF五十嵐理人(3年)の追加点をアシスト。「いいスルーパスから自分は決めるだけだった」と振り返った五十嵐は後半18分にも榎本のポストプレーからミドルシュートで自身2点目を決めた。

 後半22分に交代するまで前線で体を張り、周囲を生かすポストプレーで攻撃を牽引した186cmの大型ストライカーは3アシストという結果に「アシストが多かったのは大きい」と納得しながらも、「自分の良さは出せているので、あとは結果が付いてくれば」と、自身に得点がなかったことだけを悔やんだ。

 夏の全国高校総体得点王も今大会は準々決勝・米子北戦(3-0)での1ゴールのみ。得点という数字だけを見れば物足りないが、榎本が前線でターゲットになることで前橋育英の強力な攻撃陣が生かされているのは紛れもない事実だ。

「(調子は)悪くないけど、結果が付いてきていない。大事なところで決めたい」。2年生FWが最後に照準を合わせるのは流通経済大柏(千葉)との決勝だ。対峙するのは同学年でもあるU-17日本代表DF関川郁万(2年)。「相手はマンツーマンでやってくると思う」と、流通経済大柏に0-1で敗れた全国総体準決勝でもマッチアップしたライバルに対し、「負けたくないし、勝つことで自分も成長できる」とリベンジに燃えている。「狙っていきたい」。悲願の初優勝へ、決勝まで“取っておいた”自らのゴールで新たな歴史を切り開く。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 西山紘平)

●【特設】高校選手権2017

TOP