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「アイツのところから点を」「自由を与えない」。浦和JY時代の僚友、流経大柏MF菊地、前橋育英CB角田が選手権決勝で激突!

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浦和ジュニアユース時代のチームメート、流通経済大柏高の10番・MF菊地泰智(左)と前橋育英高のU-18日本代表CB角田涼太朗が選手権決勝で激突。(写真協力=高校サッカー年鑑)

 第96回全国高校サッカー選手権の決勝戦は、10年ぶり2回目の優勝、そしてインターハイに続く夏冬連覇を狙う流通経済大柏高(千葉)と、悲願の選手権初優勝を目指す前橋育英高(群馬)が対戦するカードとなった。

 今年、プリンスリーグ関東では前橋育英が2勝(3-0、3-2)。だが、インターハイ準決勝では流経大柏が1-0で勝ち、そのまま優勝を果たしている。ともに全国トップクラスの選手層を誇る両雄による決戦。見どころがたくさんある中で、中学時代のチームメート同士による頂上決戦にも注目だ。

 流経大柏の10番、MF菊地泰智(3年)と前橋育英の守備の柱・U-18日本代表CB角田涼太朗(3年)は、浦和レッズジュニアユース時代のチームメートだ。ともに地元・埼玉を離れ、県外の名門校での成長を決意して進学。抜群のサッカーセンスの持ち主であるレフティー・菊地は流経大柏で1年時から先発を経験し、2年時にはインターハイ準優勝、そして3年生でインターハイ優勝を経験した。一方、守備能力の高さに加え、CBながら左足キックなどの攻撃性能も高い角田も2年時から前橋育英の要となり、16年度選手権準優勝、17年U-18日本代表入りを経験している。

 今大会は菊地が大分西高との初戦でスーパーミドルを含む2発。そして長崎総合科学大附高戦でもゴールを決めるなどエースとしての役割を果たしている。対して、角田は4試合1失点の堅守を発揮しつつ、準々決勝・米子北高戦で先制点。こちらも全国舞台で活躍し、チームの決勝進出に大きく貢献している。

 両校の中心選手として戦う選手権決勝。ライバルとの対戦へ向けて菊地が「アイツのところから点取りたいですね」と口にすれば、角田は「(菊地は)小柄ですけれどもサッカーセンスは凄いあると思うし、足下の技術も高いし、あとキックもある」と警戒しながらも「プレッシャーをかけて自由を与えなければ対応はできると思う」と返す。

 中学時代は仲が良く、今でも時折連絡を取り合うという2人。菊地は「(角田は)選手権で準優勝してからLINEの返しとか塩対応なんですよ。変わったなと」と指摘し、疑いをかけられた角田は「マジで言ったんですか? そんなことはないと思いますよ」と苦笑い。仲が良いからこその発言だろうが、ピッチ上では勝負に集中する。

 もちろん、戦う相手は友人だけではない。チームが勝つためにそれぞれの役割を実行するだけだ。ただし、互いに最も負けたくない相手であることも確か。決勝戦ではそれぞれが、最も特長を知る相手の中心人物を攻略して、勝利に近づく。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2017

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