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[ニューバランスカップ]地元静岡・浜松開誠館、東海大相模を下して“裏選手権”の王者に!

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ニューバランスカップで優勝を果たした浜松開誠館高

[1.6 NB CUP in時之栖決勝 東海大相模高 1-2 浜松開誠館高 時之栖裾野G]

 第96回全国高校サッカー選手権出場を逃した強豪48校の新チームが2018年の開幕を迎えた「2018ニューバランスカップin時之栖」(通称:裏選手権)は6日、決勝戦を行った。静岡県予選4強の浜松開誠館高が神奈川県予選8強の東海大相模高を2-1で下し、新シーズンに向けて好スタートを切った。

 “裏選手権”優勝を果たした浜松開誠館の青嶋文明監督は試合後、「課題のほうが多いが、課題が明らかになった。対人のところ、特にボールを奪うというところで、良い選手とまるっきりの選手がいた。そこは力を付けていかないと厳しい」と辛口。「どんな時でもイニシアチブを取れるようにしたい」と前を見据えた。

 浜松開誠館は同日に行われた準決勝で、同じ静岡県勢の静岡学園高と対戦。3-0で完勝を収め、昨年11月の選手権県予選準決勝のリベンジを果たした。一方の東海大相模は市立船橋高に3-1で競り勝ち、決勝に歩みを進めていた。

 試合はキックオフから約40秒後、早々に動いた。東海大相模は左サイドをFW女井寛司(2年)が駆け上がり、中央へのパスを選択。PA外でボールを持ったMF中山陸(2年)が右足を振り抜くと、豪快にゴールネットを揺らした。中山は準決勝の市立船橋高戦でもミドルシュートで2得点。得意のプレーを決勝の舞台でも見せつけた。

 DF川浪豪恋(2年)を中心に、試合前から声でチームを盛り立てていた東海大相模イレブンは、「2点目2点目!」「一気にのみ込め!」とさらにテンションを上げていく。ところが、準決勝の35分ハーフに続いて同じメンバーを起用したせいか、徐々に疲れが見えるようになり、浜松開誠館が主導権を奪った。

 浜松開誠館は前半12分、MF市川侑生(2年)のFKをDF山田梨功(2年)が頭で落とし、FW岡島温希(2年)が合わせるもGK夏井隆太(2年)がセーブ。32分には、中学3年生ながら先発に入ったMF熊取谷一星(浜松開誠館中3年)のスルーパスに岡島が抜け出したが、シュートはGKがキャッチした。

 そんな前半35分、ついに試合が振り出しに戻る。市川の突破でゴール前約20mの位置からFKを獲得。センターバックの山田がキッカーを務めると、壁の位置を低くすり抜けるシュートに相手GKは全く反応できず、しっかりとゴールネットを揺らした。

 1-1で迎えた後半も、浜松開誠館が優勢を保つ。4分、岡島の左CKに反応した山田がヘディングシュート。11分には、左サイドバックのDF前田大輝(2年)の高精度クロスにMF松浦航大(2年)が頭で狙うも枠外。球際で上回りながら、セカンドボールを拾い続け、着実にゴールへ近づいていった。

 すると27分、中盤での競り合いからMF弓場堅真(2年)が最終ライン裏に浮き球を送ると、2列目から抜け出したのは途中出場のMF野本侑(1年)。飛び出してきたGKと1対1を迎え、落ち着いたワンタッチループでゴールを陥れた。

 さらに浜松開誠館は31分、東海大相模のミスにつけ込む。相手のパスが流れたところを拾ったDFが、前に出そうとしたパスは相手の元へ。フリーでボールを拾ったMF大久保夏輝(1年)が落ち着いて決め、リードを2点に広げた。

 東海大相模も後半からアンカーに入ったMF小針大志(2年)がクロスバー直撃のシュートを放ったが、チャンスは少なく、山田とDF岡部直弥(浜松開誠館中3年)が固める浜松開誠館守備陣を崩せない。終盤、PA内左を突破したFW横山翔大(2年)のシュートが枠を捉えられずにいると、そのままコーナーキープで時間を稼ぐ相手に押し切られ、1-3のままタイムアップのホイッスルを聞いた。

 準決勝で市立船橋を下しながら、決勝で敗れた東海大相模の有馬信二監督は「もうちょっとボールを動かしたかったし、2点目も3失点目もいらない失点だった」と敗因を指摘。栄冠をつかんだ浜松開誠館を「まさに静岡という感じで、うまいチームでしたね」と称えていた。

 一方、浜松開誠館の青嶋監督は浜松開誠館中の3年生2人を使っての勝利。「プリンスリーグでも3試合出ている」とすでに戦力となっていると強調しつつ、「子どもたちに刺激を入れる」と戦力の底上げにも意欲を見せる。今後に向けては「去年は守備ができたけど、攻撃はからっきし。今年は攻撃力を高めていきたい」と意気込んでいた。

(取材・文 竹内達也)

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