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[MOM2418]浜松開誠館DF山田梨功(2年)_DFリーダーのFK弾! 「全てのタイトルを取る」野望は“裏選手権”から

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同点のFKを沈めた浜松開誠館高DF山田梨功(2年)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.6 NB CUP in時之栖決勝 東海大相模高 1-2 浜松開誠館高 時之栖裾野G]

 守ってはほぼ完璧な出来、攻めては同点のFKを叩き込んだ。ニューバランスカップ(通称:裏選手権)で頂点に立った浜松開誠館高は、ディフェンスリーダーを務めるDF山田梨功(2年)の活躍が光った。世代別代表を目指す期待のセンターバックは試合後、「全てのタイトルを取る」と意気込んだ。

 東海大相模高との決勝戦、浜松開誠館中3年生のDF岡部直弥とCBコンビを組んだ山田は堂々としたプレーを披露。開始約40秒にミドルシュートから先制弾を喫したものの、その後の80分間は強烈な相手攻撃陣を空中戦とカバーリングで抑え込み、さらなる失点を許さなかった。

 また前半35分には、攻撃でも魅せた。ゴール前約20mの位置でFKを獲得すると、「自主練でやってきていた」とキッカーを担当。ロングフィードで脅威となっていた右足から壁の脇を突いた低いシュートを放つと、GKがほとんど反応できないままネットを揺らした。

「キッカーは今年からなんですけど、昨年のチームは大事なところでミスキックが続いていた。人に練習しろというより、自分で練習したほうが良い」。そんな強気な姿勢が結実し、「壁に入った味方の駆け引きもあって、新人戦でも同じコースに決めていた」という得意な形での同点弾を叩き込んだ。

 今大会の予選リーグ、決勝トーナメントの序盤では、1対1の対応に不満を残していたという。それでも「この大会に来ているチームの中で一番のCBにならないといけない」と決意。「宿舎で考える時間を持った」結果、チームを“大会の中で一番”に導き、直面した課題を成功体験に変えた。

 そんなポテンシャルあふれる背番号31について、青嶋文明監督も「1年生から出ているので、楽しみな選手ですね」と期待を寄せる。もっとも、プレー以外では伸びしろがあるといい、「感覚的なものを自分の言葉に変える部分が不足している。うまくいく理由、いかない理由を自分で論じることができていない」と厳しい課題も突きつけていた。

 そのあたりは本人も自覚しているようで、「周りの話を聞いたり、考える機会を増やすことが大事」と認識。1年時に最終ラインで共にプレーしていたDF須貝英大(現・明治大2年)を目標とし、「須貝くんがやっていたような声の出し方、統率力が出せるようにしたい」と前を見据える。

「全てのタイトルを取るため、普段の練習からしっかりやっていきたい」。そんなチーム目標を掲げるのは、「年代別代表を意識している」という個人の目標にもつながるからだ。「インハイや選手権で色んな人に見てもらい、未来を切り開いていく」――。“裏選手権”での飛躍を経て、勝負の1年間に全てを懸ける。

(取材・文 竹内達也)

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