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県勢初の夏冬連覇へ…流経大柏、70歳本田監督が靴下CKで“喝”「2つ叶えたからあと1つ」

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流通経済大柏高の本田裕一郎監督が選手たちに訓示

 第96回全国高校サッカー選手権は8日に埼玉スタジアム2002で決勝戦を行う。決勝を翌日に控えた7日、流通経済大柏高(千葉)は同校グラウンドで約1時間半の前日練習を報道陣に公開した。

 千葉県勢初となる夏冬連覇へーー。10年ぶり2度目の優勝に王手をかけた流通経済大柏は決勝で昨年度準優勝の前橋育英高(群馬)と激突する。チームは無失点Vにも王手をかけ、本田裕一郎監督は「DFラインよりも前線からのプレスが良かったから失点がなかったのかな。高い位置からプレスをかけたい」と対戦のイメージを膨らませ、「向こうの方が一枚も二枚も上」と警戒を強めた。

 練習前には約20分間、指揮官がチームに訓示した。「夏までは選手もスタッフも大変だった。お前たちもすごく苦労したと思う。気に入らないことばかりだったと思うけど、苦しいことをやっていれば目標は叶うと分かったと思う」。前日の準決勝では途中出場のMF加藤蓮(3年)が決勝点を叩き込んだ。「蓮のシュートを見たか?蓮の練習の賜物だと思うよ。俺も驚いたよ」と会場をどよめかせたスーパーボレーを称えると、「3年生にとっては明日がサッカーの卒業式になる」と決戦を見据えた。

 最終調整ではセットプレーの確認を行い、70歳の本田監督が自らCKのキッカーを務める場面もあった。「裸足だと蹴れる。昔貧しかったから裸足じゃないと蹴れない」と靴下でピッチに立ち、選手たちに鋭いキックを蹴り入れた。DF関川郁万(2年)は「コーナーを蹴るのは見たことないっすね」と異例の“喝”に驚いた。

 3つの“大目標”達成まであと1勝。今年度、チームは大目標として「プレミア昇格、インターハイ日本一、選手権日本一」を掲げてきた。総体では前橋育英高ら強豪を打ち破り、9年ぶり2回目のタイトルをつかんだ。プリンスリーグ関東では夏まで結果が出なかったが、後半戦で巻き返して2位に入ると、12月のプレミアリーグ参入戦も勝ち抜き、昇格を決めた。

「2つ叶えたから残りはあと1つ。何年もやってるけどこんなことはそうない。素晴らしい3年生だと思うよ」。07年度大会で流通経済大柏を大会制覇に導いた指揮官はここまでの過程を称えた上で、「絵はほぼできている。あとは最後に自分たちで綺麗な目を入れよう」と画竜点睛を欠くことのないよう、選手たちの背中を押した。

(取材・文 佐藤亜希子)
●【特設】高校選手権2017

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