beacon

「忘れたことがない」決勝0-5の悔しさは前橋育英のエネルギーに

このエントリーをはてなブックマークに追加

前橋育英高は1年前の決勝戦の“雪辱”を誓う。

 今年の前橋育英高(群馬)のエネルギーとなっているのが、昨年度決勝の0-5大敗だ。青森山田高(青森)との決勝戦は前半、前橋育英が決定的なチャンスで決めきることができず。逆に少ないチャンスを確実に決めた青森山田が2-0で折り返すと、後半にも3得点を加えて快勝した。

 山田耕介監督は「決勝で0-5というのはないですから。あれは、立ち直れないですね……」と振り返る0-5。MF田部井悠(3年)は「この1年間は去年の0-5からスタートしたと言っても過言ではないです。去年の決勝の悔しさは忘れたことがないですし、その悔しさがあったからこの舞台に戻って来れたと思います」と断言する。

 田部井悠は0-5で敗れた試合の映像を「フルで4、5回見た」と言い、携帯電話にもダウンロードして幾度も見返してきたという。その中で感じたのは、自分たちと難しいシュートでもしっかり決めてくる青森山田のMF高橋壱晟(現千葉)やFW鳴海彰人(現仙台大)との差だ。

「アタッカーとしては0点で終わったことが悔しくて」という田部井悠はゴール前でクロスやこぼれ球などを確実に仕留められるように、ボレーシュートなどの向上に取り組んできた。その取り組みの成果を2度目の決勝戦でぶつける意気込みだ。

 CB角田涼太朗(3年)も前日の準決勝後に「去年やられちゃったので、今年こそはというのがありますね。監督もよく言っているんですけれども、そのために1年間やってきたと言っても過言ではない」と語っていたように、1年前、埼玉スタジアムの決勝戦で味わった悔しさは全員が覚えている。

 田部井悠は情熱を持って指導してくれた山田監督とともに、今回は必ず決勝で勝利することを誓った。「監督を胴上げして、最後笑って終わりたい」。1年前、青森山田が歓喜する姿を見た埼スタファイナルで今年は、前橋育英が笑う。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2017

TOP