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「前橋育英を怖がっている」。流経の徹底マンマークも、前橋育英はプラス思考で対抗

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この日徹底したマンマークを受けた前橋育英高FW飯島陸だが、決勝点に絡んだ

[1.8 全国高校選手権決勝 流通経済大柏高 0-1 前橋育英高 埼玉]

 相手の徹底マークもプラス思考で乗り越えた。流通経済大柏高(千葉)は1-0で勝利したインターハイ準決勝同様、前橋育英高(群馬)の攻撃キーマンをマンツーマンマーク。本田裕一郎監督は「飯島くん、凄い能力ですからね。放っておいたら何点取られるかなというくらいの能力高い子ですから」と評したFW飯島陸(3年)に“エースキラー”のDF三本木達哉(3年)をぶつけ、司令塔のMF田部井涼(3年)をMF宮本泰晟(3年)が“監視”していた。

 インターハイでは前橋育英の3人に対してマンマークをつけて相手のリズムを崩すことに成功している流経大柏は、今回も前半は強烈な守備で圧力を掛けて自分たちのペースに引きずり込んでいた。

 だが、前橋育英にとって、流経大柏がマンマークで来ることは想定済み。山田耕介監督は選手たちに前向きな言葉を掛けたという。「(マンマークをするということは、相手は)普段のシステムを変えることですからね。(選手たちには)それってどういうことか分かるか?と。『前橋育英を怖がっているからだぞ』と。『マンマークで慌てる必要はない』という話をしました」。

 マンマークを受けている選手が動けば、スペースができる。ボランチの田部井涼がサイドに開けば中央が開く。だが、流経大柏の守備は非常にタイト。三本木はボールの行方関係なく、飯島のそばから離れなかった。

 さすがに選手たちがマークを嫌がっていた部分もあった。それでも、後半は前橋育英が相手の厳しい寄せを振り払って、チャンスの数を増やす。ボールサイドに人数を掛けて守ってくる流経大柏に対し、前橋育英はサイドチェンジしてその守りを広げると、空いた中央に縦パス。特に後半はこの攻撃が効いていた。

 飯島はシュートがポストを叩くなど得点することができなかったものの、決勝点に繋がるシュートを放ち、田部井涼も決勝点に繋がるパス。相手がシステムを崩してまでキーマンを潰しに来たことを「警戒してくれている」と、怯まずに対応し、攻め続けた前橋育英が白星を掴んだ。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2017

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