beacon

「まさか自分が…ビックリした」“伏兵”板倉滉、的確な状況判断から奪った決勝弾

このエントリーをはてなブックマークに追加

決勝点を奪ったU-21日本代表MF板倉滉(仙台)

[1.10 AFC U-23選手権 U-21日本 1-0 U-23パレスチナ 江陰]

 伏兵の一撃が勝負を決めた。森保ジャパン公式戦初戦となったAFC U-23選手権グループリーグ第1戦パレスチナ戦で、この試合唯一となるゴールを決めたのが3バックの一角に入ったDF板倉滉(仙台)だった。

 序盤からボールを保持する日本だったっが、「どのタイミングで縦パスを入れるのかは、もっと確認し合わないといけない」と振り返ったように、効果的な縦パスをなかなか配球できずに攻撃をスピードアップさせることができない。しかし、「後ろで止まってボールを動かしていても、なかなか前には進めない。どうやって打開しようか考えた」結果、「運んだ方がチャンスにできるかなと思って運ぶことを意識した」という答えを導き出す。この、板倉の的確な状況判断が試合を動かすことになる。

 前半11分に寄せてくる相手をかわし、独力で前線まで運んで放ったシュートは相手GKの守備範囲に飛んでしまったが、同13分に同じような展開から前線に上がる。MF井上潮音(東京V)とのワンツーでゴールに迫ると、右足のシュートでネットを揺らして値千金の先制点を奪った。

 この得点は森保ジャパン公式戦第1号にもなり、「まさか自分が最初に得点を取れるとは思っていなかったので、点が入ったときはビックリした」と白い歯を見せつつ、「ガッツポーズをどうしようか考えていなかったので、点を取り慣れていないなと自分でも思った」とおどけた。

 その後、追加点こそ生まれなかったものの、本職の守備でも粘り強い対応でパレスチナに得点を許さず、1-0の完封勝利に貢献。「最後は押し込まれる中でゼロに抑えられたのは良かったし、とりあえず勝てて良かった」と白星スタートを切ったことに安堵の表情を浮かべた。

(取材・文 折戸岳彦)
●AFC U-23選手権2018特集ページ

TOP