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ユースのセレクションさえ受けることが出来なかった…FW鈴木国友、高校、大学経由で“湘南復帰”

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湘南ベルマーレに入団するFW鈴木国友(左)と坂本紘司スポーツダイレクター

 夢を実現させる。桐蔭横浜大から湘南ベルマーレに入団するFW鈴木国友(4年=相洋高)は神奈川県小田原市出身。高校入学までを湘南ベルマーレジュニアユース小田原で過ごした選手。トップチームである湘南ベルマーレは、「試合を見に行くにしても、練習を見に行くにしても、幼いころから常に身近にあったクラブ」だった。

 ユース昇格を逃し、高体連、そして大学を経て“古巣”に復帰する鈴木。しかしよくある「反骨心」を持って精進してきたタイプではない。「自分の代は小田原からの昇格はゼロ。ユースのセレクションを受けるためにピックアップされた3人にも入れなかった」。憧れではあったが、当時の実力は自分が一番分かっていたという。

 ただ相洋高への進学が運命を変えた。2年生のころから試合に出始めると、ほとんどの試合で点を取り続けた。付いた異名は「相洋の怪物」。ユースのセレクションを受けることすら考えられなかった少年は、坂本紘司スポーツダイレクターに「見抜けなかったクラブの責任」と言わせるまでの存在になっていた。

 更なる成長を目指して進学した桐蔭横浜大には4年間、実家のある国府津から片道2時間をかけて毎日通学した。サッカー部の練習を終えて帰宅できるのは23時頃。授業を受けるために翌朝6時には家を出る生活を続けた。「きつかった」と苦笑いを浮かべるが、夢に向かう充実感も感じていた。

 常に意識し合える存在がいたからプロになれた。同期でFC岐阜に入団するFW石川大地(4年=水戸啓明高)については、「大地がいたからプロになれたと思っている」と感謝する。「自分が出れない時にあいつが活躍していれば悔しい思いにもなった。でもあいつとやれた4年間はとても大きなものだったと思っています」。

 ひとつの夢を叶えた鈴木だが、今度は自分が憧れたように、子供たちの憧れになるという夢を目指すことになる。「大好きなクラブでプレーできることは本当に嬉しい」。これからは1年1年が勝負。回り道ではなかったことは必ず証明する。

(取材・文 児玉幸洋)
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