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[MOM2420]前橋育英FW高橋尚紀(2年)_まずは1G1A。選手権得点王を超える10番に

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前橋育英高の新10番、FW高橋尚紀は勝ち越しアシストに加え、ゴールも

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.14 群馬県高校新人大会2回戦 前橋育英高 5-1 太田高 前橋育英高高崎G]

 “偉大な”前任10番を超えるインパクトを残す。前橋育英高は10番を背負ったFW高橋尚紀(2年)が1-1から勝ち越し点をアシストしたのに続き、自らもゴール。新チーム初戦の重圧からか、緊張で思うようなプレーができなかった選手が多くいたチームを力強く引っ張り、白星へと導いた。

 前半、前線から下りてボールを引き出し、そこからのスルーパスやサイドからの仕掛けで決定機を演出。周りの状況を見ながら余裕あるプレーを見せていたFWは、後半7分に左サイドをMF秋山裕紀(2年)、左SB森賢太郎(2年)とのコンビネーションで崩すと、縦への仕掛けから左足クロスをFW高橋優斗(2年)の頭へ通して勝ち越し点をアシストした。

 さらに10分にはDFの背後を突く動きから、最後は右足シュートをゴールに沈めた。相手の後方からのタックルを受けて負傷交代したものの、存在感あるプレー。この日、欠場したFW榎本樹(2年)やFW室井彗佑(2年)とともに新チームの前線を牽引する存在はしっかりと結果を残した。

「(榎本)樹がいない分、自分が点取ってチームを引っ張っていかないとダメかなと思っていました。あと、(飯島)陸さんの番号(10番)をつけていたので、ストライカーとして頑張ってみんなをまとめられるようにとしていきかったです。陸さんは凄いところがあるんですけれども、自分は自分で『高橋尚紀が10番』だとこれからしていきたい」

 全国高校選手権で7得点を挙げて得点王を獲得し、前橋育英を初優勝へ導いた10番FW飯島陸(3年)を超えるような活躍をすることを誓っている。1年後の選手権で飯島の7得点を超えることも目標。「流れを見て自分の特長を出せたり、PAの仕掛けのところとかは陸さんにも負けていないかなと思っています」というFWは武器を磨き、結果にこだわる意気込みだ。

 ベスト4入りしたインターハイ、初優勝した選手権はともに悔しい大会だった。飯島が負傷のため控えに回っていたインターハイでは三重高(三重)との初戦で先制点を叩き出したほか、鋭い仕掛けを武器に活躍。だが、準決勝の流通経済大柏高(千葉)戦では自ら獲得したPKをGKに止められてしまい、チームは0-1で敗れてしまう。

「走りとか苦しいことがある時はそれを思いし出してもっとやらなきゃと」トレーニングを積んできた。だが、「先輩の夏を終わらせてしまったので、その分も活躍したかった」という選手権では復帰した飯島にポジションを明け渡す形となり、自身はベンチ外も経験することに。チームの優勝はもちろん嬉しかったが、個人としては「めちゃくちゃ悔しい」選手権だった。

 それだけに、今年に懸ける思いは特別だ。飯島のように、試合を決められるような選手になり、飯島以上の結果を残すことを自らに課す。現状に満足すること無く成長を遂げ、ノルマを各大会でクリアして「育英の10番は高橋尚紀」と認められる存在になる。

(取材・文 吉田太郎)


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