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日本高校選抜候補、午後の大体大戦は黒星も個々が奮闘。選考合宿最終日は予定変更して練習試合実施へ

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3本目、左サイドを駆け上がった菊地泰智(流通経済大柏高)がクロスを上げる

[1.20 練習試合 日本高校選抜候補 0-3 大阪体育大]

 20日午後、日本高校選抜候補が大阪体育大と練習試合(25分×4本)を行い、0-3で敗れた。3月末からの欧州遠征でデュッセルドルフ国際ユース大会(ドイツ)に出場する日本高校選抜は、欧州遠征メンバー選考合宿(大阪)最終日の21日も、当初予定していた紅白戦から変更して大体大と練習試合を実施する。

 日本高校選抜はこの日、25分ハーフのデュッセルドルフ国際ユース大会を想定し、午前中に阪南大、午後に大体大と1本25分の練習試合をそれぞれ4本ずつ行った。ともにAチームが胸を貸してくれたことを平野直樹監督(履正社高)は感謝する。

「色々な人の後押しがあっての活動なので、それは子どもたちにも伝えたいと思います」。全国4000校を超える高校サッカー部や様々な関係者のサポートがあっての選抜チーム。その中で、選手たちは指揮官の期待に応えるように、周囲への感謝と欧州遠征メンバー入りへの強い思いを持って、現在のベストを大学生相手に発揮しようとしていた。

 2-2で引き分けた阪南大戦に比べると、午後の大体大戦は運動量が低下した部分もあった。押し込まれる時間帯が増えていたが、1本目を蓑田広大(青森山田高、3年)と松井蓮之(矢板中央高、3年)の両CB中心に相手の攻撃を跳ね返して0-0で終えると、2本目も終盤に右SB後藤田亘輝(前橋育英高、3年)がPAからのシュートをブロックするなど無失点で終える。

 高校選抜の“先輩”でもあるCB菊池流帆を中心とした大体大の前に、高校選抜候補は敵陣で簡単に前を向かせてもらえない。2本目には選手権得点王のFW飯島陸(前橋育英高、3年)と北九州FW佐藤颯汰(日章学園高、3年)のコンビによる崩しや、CB角田涼太朗(前橋育英高、3年)のフィードからMF青木真生都(東福岡高、3年)が左サイドを抜け出すシーンもあったが、1点が遠い。

 3本目には開始10秒、25秒にMF檀崎竜孔(青森山田高、2年)の縦突破から立て続けにFW圓道将良(旭川実高、3年)が決定機を迎えたが、決められなかった日本高校選抜に対し、大体大は相手の守備のミスや寄せの甘さを突いて7分までに2得点。4本目開始直後にも失点した高校選抜候補は同6分にFW荒木駿太(長崎総合科学大附高、3年)の右クロスから檀崎が決定的なヘディングシュートを放ったが、左ポストに嫌われてしまう。

 19分にも檀崎の左足シュートがポストを叩くなど最後まで1点を奪えず、高校選抜候補は0-3で敗戦。だが、右SBとして起用された宮本優太(流通経済大柏高、3年)がタッチライン際で諦めないプレーを見せたほか、檀崎、荒木のチャレンジする姿勢が目立つなど気持ちの入った戦いを繰り広げ、平野監督も技術面、メンタル面で「こういう相手にも物怖じせずにやれるところが見えた選手もいた」と頷いていた。

 選考合宿は21日まで。デュッセルドルフ国際ユース同様に、自分たちよりもフィジカル能力の高い大学生相手にどこまで戦うことができるかが最終日も試されることになった。選考合宿終了後にメンバーが絞られ、20名強の人数でチーム作りを進めながら「NEXT GENERATION MATCH」(2月10日、埼玉) や第33回静岡県ヤングサッカーフェスティバル(3月11日、草薙陸)に臨む予定。そして最終的に18名が“高校サッカー部の代表”として世界と戦う。今回の選考合宿では、主軸候補のMF田部井涼(前橋育英高、3年)や飯島、角田に負けないようなパフォーマンスを見せているような選手もいるが、まだまだアピールに成功する選手が現れるか。選考合宿最終日、その後の試合、トレーニングにおける選手同士の競争にも注目だ。

(取材・文 吉田太郎)
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