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高校選抜候補CB角田は中心選手としての自覚が伝わるようなプレー。左SBとしても力示す

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CB角田涼太朗(前橋育英高)は阪南大戦の1本目、左SBとして好プレーを披露

[1.20 練習試合 日本高校選抜候補 2-2 阪南大]

 高校選抜の守備の中心選手としての自覚が伝わってくるようなプレーだった。日本高校選抜候補のCB角田涼太朗(前橋育英高3年)はこの日、阪南大戦、大阪体育大戦通じ、広範囲なカバーリングによって幾度も決定的なシーンを救っていた。

 選考試合でそれぞれがチームの勝利とアピールを目指しながらの戦い。初めてコンビを組むような選手たちが多いためになかなか連係が取れず、経験の浅いポジションでプレーする選手もいた。必然的にボールを失う回数や攻められる回数が増えて、後方の選手がそれをサポートするシーンが増加。その中で「カバーは意識していました」という角田は神経を尖らせて相手の動きを読みながら、右へ、左へと動き回り、ピンチの芽を消し続けていた。

 完璧に守りきれた訳ではなく、ピンチに絡んだ場面もあった。それでも、大学生相手に激しくぶつかり、ゴールを守っていた姿には、視察に訪れていたU-19日本代表の影山雅永監督も「逞しさが出てきている」と評価。昨秋、候補合宿を経てU-18日本代表カタール遠征メンバーに初選出された角田だが、脳震盪のためにカタールでは1試合も出場することができなかった。それでも、「また呼ぶから頑張れよ」と声を掛けられているという角田は、選手権で5試合1失点、それも5試合でわずか被シュート11(1試合平均2.2本)という驚異的な数字で日本一に大きく貢献し、この日もU-19代表指揮官に成長を印象づけた。

 前橋育英の右SB後藤田亘輝(3年)、GK湯沢拓也(3年)も有力なメンバー候補。だが、チームと同じ守りができる訳ではない。「あの(前橋育英の)バックラインはやりやすかったけれども終わってしまったのでしょうがない。身体張る部分とかはみんなできると思うので、声かけて、カバーリングなどで高めていければ失点も減らせると思います」。欧州遠征メンバー入りを決まれば、ボランチのプレスバックや前線からの連動した守備、そしてそれぞれが身体を張る部分などを求めながら、失点しない、シュートを打たせない守りを構築していく。

 この日、角田は阪南大戦の1本目に左SBとして先発。中学時代は主戦場としていたポジションということで違和感なく25分間を1-0で終えた。もちろん、本人はCBで勝負したいという思いを持っているが、左SBでもレギュラークラスの力がある。高校選抜欧州遠征メンバーは18人と少数で、複数のポジションも求められるため、彼の重要度はまた一つ増しそうだ。
 
 武器である左足フィード、技術力については中学までチームメートだったMF菊地泰智(流通経済大柏高、3年)も「涼太朗はやっぱり上手い」とコメント。攻撃の起点も担うDF陣のリーダー候補は「(選抜メンバーで)一からやらないといけないのはキツイですけれども、自分が声出してやっていけばできると思う」。将来、筑波大からプロ入りを目指す注目CBは高校選抜を後方から支えてゴールを守り、目標のデュッセルドルフ国際ユース大会優勝、そして自身のステップアップにも繋げる。

(取材・文 吉田太郎)
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