beacon

「特別な思いがあります」。進路未定のMF財前は「NIKE NEXT HEROプロジェクト」イタリア遠征で人生変える

このエントリーをはてなブックマークに追加

京都サンガF.C.U-18の10番MF財前淳は特別な思いを持って挑戦

 今回のイタリア遠征に懸けている。京都サンガF.C.U-18の10番を背負ったMF財前淳は「NIKE NEXT HEROプロジェクト」イタリア遠征メンバーの一人として、現地時間22日にミラノ入り。在学中の立命館宇治高でドイツ語を専攻してきたという財前は、移動中の機内で他の選手たちが音楽を聞くなどそれぞれの時間を過ごす中、ルーズリーフに自ら書き込んだイタリア語にずっと目を通していた。

「まだまだですけれども(ドイツ語を勉強しているため)イタリア語も上手く入ることができました。まずコミュニケーションって大事だと思うので、それで少しでもチームの人たちに何か伝えられれば。僕がイタリア語で訳せれば訳したいというのもありますし、仲介ができたら、僕自身もイタリア語の勉強にもなる」と財前。今回の遠征ではビッグクラブ、インテルのアカデミーコーチとのトレーニングや、アカデミーチームの練習試合が組まれているため、その言葉からも自分の将来に繋がるものを貪欲に得ようとしている。

 その財前にとって、今回の遠征はサッカー人生を懸けた挑戦でもある。「NIKE NEXT HEROプロジェクト」選抜チーム始動日の21日のミーティングでは「所属チームが決まっていないので、この遠征でどこかのチームにスカウトしてもらいます。頑張ります」と宣言。この遠征に懸ける思いを口にしていた。

 財前は九州の強豪、小倉南FCジュニアユースから京都U-18へ加入。下級生時から注目されてきたMFは今年、京都U-18の前線でゴールに繋がるような高いテクニックを示してきたが、あと一歩のところでプロ入りが叶わず。決定時には主要大学の入学試験は終わっていたという。

 現在の進路は未定。だからこそ、特別な思いを持って今回のイタリア遠征に臨んでいる。「僕のプレー場所を探すためにも今回の遠征でどこかに声をかけてもらわないと、という気持ちです。特別な思いがありますね。(その思いは)誰よりも、一番だと思います」。U-19日本代表の秋葉忠宏コーチも帯同するなど多くの関係者がかかわっている今回の遠征。インテルアカデミーとの試合で活躍すれば、道を切り開くことができると信じている。

 インテルとかかわる時間は実質4日間。それでも、持ち味の攻撃力の部分でアピールする意気込みだ。「ドリブルしてシュートを決めて終わるとか、アシストして終わるという結果を求めて、今はあまり国際試合とか経験したことがないので、どれだけ自分ができるか、一切後悔すること無く試していきたい」と意気込んだ。

 海外への憧れも強い。「小6の時にバルサの試験を受けさせてもらって、その時から意識している」。当時、小学4年生のFW久保建英(FC東京)とも出会っており、久保はその後バルセロナで注目度を高め、自身は日本で成長を目指してきた。今回、再び海外への挑戦となるが、「大丈夫です。自信があるので」と強気。プロ入りした選手たちもいる「NIKE NEXT HEROプロジェクト」海外遠征だが、誰よりも本気の姿勢で戦い、誰よりもピッチで結果を残して人生を変える。
 
(取材・文 吉田太郎)

TOP