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[日本高校選抜選考合宿]前橋育英MF田部井涼「優秀選手に選んでもらって終わりじゃない」

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主将として前橋育英高を日本一軍団にしたMF田部井涼

 第96回全国高校サッカー選手権の優秀選手を中心に構成された日本高校選抜選考合宿が19日から21日まで大阪府内で行われた。最終的に18名が日本高校選抜として3月末から欧州遠征を行い、第56回デュッセルドルフ国際ユースサッカー大会(ドイツ)に出場する。

 選手権で初優勝した前橋育英高(群馬)の主将、MF田部井涼(3年)はボランチの位置でチームの守備を引き締め、選手権から高まってきたという前線の選手に絡む動きや得意の左足キックでも勝利に貢献してきた。ピッチ内外でチームに声がけし、前橋育英を「日本一軍団」にした田部井が、今冬の選手権についてや、高校選抜、18年の意気込みについて語った。

―高校選手権を振り返って。個人的に発揮できたこと、出しきれなかったことは?
「出し切れたことは日々意識しているんですけれども、あの時期はプレーを変えることを少し意識していました。プリンスリーグなどは結構守備的にやっていたんですけれども、自分が怪我して塩澤が結構守備を頑張ってくれていたので、そこのバランスもあって自分が前に絡むプレーができていたと思います。できなかったのは怪我で2試合プレーできなかったので、達成できなかったというか不甲斐なさが残りますね。勝ってくれたので、その場にいた時はありがとうと思いましたけれども、振り返ってみると選手個人としては悔しかったですね」

―日本高校選抜候補合宿に参加して感じたこと。日本高校選抜欧州遠征メンバー入りへの意気込みを。
「レベルは相当高いかなと思いました。あと、仲は良いと感じました。優秀選手に選んでもらって終わりじゃないので。海外に行ってやったことがあまりないので、そこでやりたいですね」

―外国人選手相手に試したい部分。自分自身の強みと課題について。
「フィジカル的には相手も強いと思うけれど、攻守の切り替えのところは育英でもずっと言ってきたので、そういうところは試したいです。あと、球際のところはやってみたいですね。強いからこそ、どれほどのものか、試したいです。自分は攻撃的なところが課題だと思うので、育英では守備的にやって、選手権で少し変われて、飛び出しや前に絡んで行くプレーは増えたと思うんですけれども、そこからのプレーの質と幅がまだ全然ないので高めていきたいですね」

―高校3年間を通して学んだこと。
「サッカーのことはもちろんなんですけれども、山田監督は人間性を大事にする監督。人間性という言葉の意味は広いんですけれども、『私生活がサッカーに出るよ』とは嫌になるほど言われましたし、それは痛感しましたね。去年から意識を変えて厳しい言葉も言ってきたつもりですし、やっぱり結果として出たので、授業中に寝ないことや、服装は出るんだなと実感しました。そこがやって一番良かったなと言えることですし、優勝して良かったなと思います」

―チームメートに厳しく求めてきた。
「他のチームもあると思うんですけれども、去年の悔しさからリベンジするためにサッカー外のこともやることは自分と塩澤隼人で相当厳しく言ってきましたね」

―高校選抜にも厳しさを求めていく。
「迷うどころでもあります。厳しく言うつもりですけれども、その分、高校選抜はリーダーも多いので、育英の時と同じように、自分一人で背負い込まずに宮本優太とか素晴らしいキャプテンがいるので、そういうリーダーと話し合うことが一番大事だと思いますね。コミュニケーションが大事だと思うんですけれども、特にリーダーが密になることが大事。言えばやれるメンバーだと思うので、それは一つキーかなと思います」

―2018年の目標を。
「(進路は法政大)個人としてはまずは高校選抜に選ばれてデュッセルドルフで優勝するというのが一番の目標ですけれども、長期的な目標で言ったら大学選抜に入りたいというのが自分の中であるので、そこを個人の目標としてやっていきたいですね」

―デュッセルドルフ国際ユース優勝も目標になる。
「近年取れていないじゃないですか。選手権で当たった選手たちですし、お互いの特長は分かっていると思います。大会まで2か月という短い間ですけれども、きょう(1月19日)の雰囲気も良かったので、その雰囲気を継続してお互いの良さを分かちあえれば。あと、日本人の特長というか、攻守の切り替えとか一つのキーとなると思うんですけれども、25分という短い時間で連続してやれれば相手は多分やれないと思うので、そこは全面に出していきたいですね。運動量と切り替えのところは出さないとマズイと思いますね」

(取材・文 吉田太郎、森田将義)
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