beacon

意識高く「立派」に戦った「NIKE NEXT HERO プロジェクト」選抜が8-0快勝。2連勝でイタリア遠征終える

このエントリーをはてなブックマークに追加

「NIKE NEXT HEROプロジェクト」選抜はイタリアで強さを見せつけて2連勝

[1.25 練習試合 NIKE NEXT HEROプロジェクト選抜 8-0 ヴァレジーナ・カルチョ]

 高校年代最高峰のリーグ戦、高円宮杯U-18サッカーリーグ2017プレミアリーグにおける「NIKE NEXT HEROプロジェクト」ポイントランキング上位選手中心に構成されたイタリア遠征メンバーは現地時間25日午後、インテル系列のヴァレジーナ・カルチョと練習試合を行い、8-0で快勝した。選抜チームはイタリア遠征の2試合を2勝で終了。28日に帰国する。

 指揮を執った朝岡隆蔵コーチ(市立船橋高)は「立派だなと思いますよ。ここに来るだけの(価値のある)選手たちだと思います」とメンバーの意識、モチベーションの高さ、そしてわずかな練習、ミーティングのみながらも発揮していた対応力の高さを賞賛していた。

 日本から20時間かけて22日夜にイタリアに入り。3日目(24日)の練習試合を11-1で大勝したチームはこの日、前日に出た課題を修正する形で8-0のスコアで連勝。現地の関係者や観客を驚かせるような内容・結果で2試合を終えた。

 4-1-4-1システムの先発メンバーはGK梅田透吾(清水ユース2年)、右SB岡庭愁人(FC東京U-18 3年)、CB吉田伸弘(阪南大高3年)、CB吉村仁志(大津高2年)、左SB三原貫汰(米子北高3年)。1ボランチが谷川勇磨(神戸U-18 3年)、トップ下が財前淳(京都U-18 3年)と中村成龍(阪南大高2年)、右SH上月翔聖(神戸弘陵高3年)、左SH滝裕太(清水ユース3年)、1トップは平墳迅(清水ユース3年)が努めた。

 前日に対戦したASヴィズノーヴァよりも上手さ、強さを持った対戦相手。それでも前半8分、左サイドの滝がカットインしながら逆サイドの上月へ展開する。すると、上月が中へ切れ込んでからの左足シュートをニアサイドのゴールネットへ突き刺して先制した。

 相手にボールを繋がれるシーンもあったが、声を出し続けていた谷川と吉田を中心に守備面で隙を見せない。それぞれが、よく状況判断しながら守っていた「NIKE NEXT HEROプロジェクト」選抜は、吉村の力強い潰しや三原の粘り強い守備、GK梅田の落ち着いた対応もあって相手にシュートを打たせない。

 すると26分、左スローインを起点とした攻撃から中村龍が狭いスペースを通して逆サイドへ展開。攻撃参加していた岡庭がシュートモーションから右前方へ抜け出した上月にスルーパスを送ると、これを受けた上月が逆サイドネットへファインショットを突き刺して2-0とした。

 雨中でボールを支配した「NIKE NEXT HEROプロジェクト」選抜は、その後も上月のスルーパスから平墳が放ったシュートや上月のクロスバー直撃のミドルシュートなどで攻め続ける。そして44分、滝の左CKをファーサイドで上手く空中姿勢を作った吉村が頭で合わせて3点目。ハーフタイムには梅田、吉村、三原、上月、中村龍、滝、平墳に代えて、GK宮崎浩太朗(大宮ユース3年)、右SB佐野海舟(米子北高2年)、CB中島大雅(G大阪ユース3年)、トップ下・中村駿太(青森山田高3年)、右SH水野雄太(大津高2年)、左SHシマブク・カズヨシ(浦和ユース3年)、FW森海渡(柏U-18 2年)をそれぞれ投入し、岡庭が左SBへ回った。

 後半は1分に水野の右クロスを森が豪快ヘッドで決めてまず1点目。12分には財前のシュートが森の足元に入り、冷静にDFを外した森が2点目を決める。秋葉忠宏団長(JFAナショナルトレセンコーチ)が「素晴らしいよ。(雨の中)怖がらずにやっている」と評したように、後方から怖れること無く相手を動かし、間を取って攻める「NIKE NEXT HEROプロジェクト」選抜はその後も左クロスから中村駿が決定的なヘッド。20分には岡庭の右ショートコーナーから水野、中島がサイドを崩し、最後は財前が決めた。

 後半半ばを迎えても財前や中村駿、シマブクが守備でも献身的に走り回り、佐野が高校入学後初という右SBで球際の強さを発揮。また、中島が余裕ある守り、谷川が気の利いた守りをそれぞれ見せる。34分には吉田、財前に代えて、ともに2年生の中村龍と吉村を再投入すると40分、敵陣でのインターセプトら水野が持ち上がり、スルーパスを受けた森がGKをかわしてハットトリックを達成した。

 終盤はミスから相手に抜け出されるシーンもあったが、宮崎の勇気ある飛び出しもあって相手がシュートミス。42分には森とのワンツーから水野が右足で決めて、ゴールラッシュを締めた。

 前日は11-0で迎えた後半終了間際に守備の甘さがあって失点。朝岡コーチは「昨日の11-1の1点、後半半ばからの戦い方でサボっているよねと。0-0だからしっかりやるという話じゃなく、点差が開いても完膚なきまでに倒すということをやらないと」と選手たちを引き締めたという。それに対して選手たちはこの日、甘さを自分たちで取り除き、冷たい雨の中で集中した90分間。もちろん、個人、チームとしてもっとできた部分もあるだろう。それでも、イタリアで貪欲に学び、意識高く戦った18人が、イタリアで“プレミアリーグ選抜”の強さを見せつけた。

(取材・文 吉田太郎)

TOP