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リーダーたちの中で学んだ注目ボランチ・佐野。「プレーだけでなくて声でも引っ張っていかないといけない」

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MF佐野海舟(米子北高)はリーダーシップなど多くを学ぶイタリア遠征に

[1.25 練習試合 NIKE NEXT HEROプロジェクト選抜 8-0 ヴァレジーナ・カルチョ]

 学ぶことの多いイタリア遠征だった。MF佐野海舟(米子北高2年)は「NIKE NEXT HEROプロジェクト」選抜メンバーの一人としてイタリア遠征に参加。チームではダブルボランチの一角を務めるが、今回の対外試合では1ボランチと右SBも経験。後半からの出場で、高校に入って初という右SBを務めたヴァレジーナ・カルチョ戦については「守備のポジショニングとかCBから指示されないと全然ダメだったと思います。前へ行き過ぎたりそういう部分があった。攻撃も簡単につけられるのにつけられなかったことが多かった」と反省していた。

 前日の初戦では後半に1ボランチを務めたが、ボールを引き出して捌く動きが十分にできなかった。普段ならばセカンドボールを拾ってサイドにつけることが主な役割。本人は、1ボランチの動きに対応できずにリズムを生み出せなかったことが原因で、2試合目はSB起用になったと分析する。

「その分SBでチャンスつくったり、SBもできるところも見せてやろうと思ったんですけれどもそういう気持ちが前に空回りしてしまった」と佐野。守備力の高さが最大の特長であるMFは右SBでも対人の強さを発揮してボールを奪い取っていたが、気持ちが前に行き過ぎてマークがズレたり、迫力ある攻撃参加も得点に繋げることができなかった。

 1年時から強豪・米子北のレギュラーを張る佐野はボランチとして高い評価を得ている。「自信があるのがボランチなので、そのポジションで負けたくないし、絶対にそのポジションでこれから先やっていけるようにしていきたい。(そのために) 無難なプレーが多いので、ゴールに直結するプレーやチャレンジするプレーを増やしていきたい」と話すように、ボランチで突き抜けた存在になることが目標だ。

 その一方、今回の遠征を経て「何でもできる選手にならないといけない。限られたポジションしかできないのはダメ。違うポジションでも役割を理解して、整理してできないといけない。(異なるポジションの)人の動きを見て勉強しなければいけないと思いました」と他のポジションの選手から学ぶことの重要さに気づいた様子だった。

 今回のイタリア遠征はリーダーシップについても学ぶことの多い日々だった。来季は選手権8強の米子北のリーダー格になる。その佐野は「NIKE NEXT HEROプロジェクト」選抜チームで、いずれもプレミアリーグチャンピオンシップに出場したFC東京U-18の右SB岡庭愁人主将(3年)や神戸U-18MF谷川勇磨主将(3年)、米子北高の先輩DF三原貫汰主将(3年)といった“題材”から、リーダーとしてのあり方を確認することができた。

「リーダーシップを持っている選手が凄く多くて、自分よりも全員声を出していた。自分が一番出していない。それではまとめることもできないし、引っ張っていくこともできない。自分はプレーで引っ張っていくというのがあるんですけれども、そういう選手でも声を出している。プレーだけでなくて声でも引っ張っていかないといけない。自分が言うことで自分もやらないといけないので、そうしていきたい」

 言って嫌われることを怖れていたら、チームも、自分自身も成長しない。その強い気持ちを持ってチームに求めていく意気込みだ。先輩の三原は「(選手権準々決勝で敗れた前橋育英戦は)目指しているところの違いが凄く明確に試合の内容に出ていた。僕らはベスト8が目標だったので、次の代には優勝目指してやってもらいたいと思っています」と期待していた。選手権8強経験者が多く残る米子北だが、全国制覇を目標に掲げ、それを実現するための厳しさを持って日々取り組まなければ目標を達成することはできない。イタリアで多くを学んだ注目MFが新生・米子北を勝たせる選手、そして米子北を勝たせるリーダーになる。
 
(取材・文 吉田太郎)

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