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[MOM2422]流通経済大柏MF熊澤和希(2年)_試合終了間際に決勝ヘッド!チームの中心、リーダーとして流経を牽引

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前半37分、流通経済大柏高MF熊澤和希が先制点をアシスト

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[2.3 ジャパンユーススーパーリーグ 流通経済大柏高 2-1 西武台高 流通経済大柏高G]

 チームリーダーとしての責任感を感じながらの新シーズンスタート。新生・流通経済大柏高(千葉)の意識を高めたり、雰囲気を向上させたりしていくのはこれからだが、MF熊澤和希(2年)は昨年と同じくピッチで結果を残している。

 17年度のインターハイ準々決勝、決勝でいずれも決勝ゴールを決めて流経大柏を日本一へ導き、選手権でも準々決勝でゴールを決めている熊澤だが、新チームではこれまでのFWではなくボランチにチャレンジ中。長身の技巧派ボランチはゲームをコントロールしつつ、持ち味の得点力を発揮することを目指している。

 この日の前半はボールを左右に振り分けながら前進したものの、なかなか相手の堅い守りをこじ開けられずにいた。ミスでピンチを招くシーンもあったが、それでも前半37分、右サイドからPAへループパス。この絶妙パスで抜け出したFW芹田悠真(2年)が、右足でファインショットを決めて先制した。

 後半、熊澤は大きな展開を多用して味方の数的優位を作り出し、局面での激しい当たりで守備を引き締めた。そして、後半33分に失点してからは直訴してFWへ移行。34分に迎えたビッグチャンスではシュートミスしてしまったものの、39分に再び迎えたチャンスでチームに歓喜をもたらす。

 左SB間洋登(2年)の左クロスを打点の高いヘッドで合わせると、ボールはGKの指をかすめてそのままゴール左隅へ。彼の特長の一つである高さを発揮して決勝点を決めた。「引き分けでは終われなかった。勝つためには自分が前に行くしか無いと思った。前へ出た以上は点を取らないといけない」。“自分が決める”と前に出て見事に“違い”を示した。

 ボランチ起用はチームのためであると同時に、個人として上のステージへ行くための挑戦だと感じている。「ボランチから出て点取れるようになれば、どこに行っても使われると思う。まだまだ足りない部分がありますし、守備が大きな欠点なのでボランチやりながら守備能力を上げてアベレージ高い選手になれば(上のステージへ)行けると思うし、自分の武器をまだ明確につけられていないのでつけていきたい」と意気込む。この日は捌き役、得点という部分では結果を残したが、ゲームの流れを読む力や守備力などもっともっと上げていくことが必要だ。

 膝の手術を受けたCB関川郁万主将(2年)が離脱中は、チームリーダーの役割も担う。この日はA戦後に行われたB戦を誰よりもピッチに近い位置で見つめ、B戦メンバーが試合後に急遽トレーニングを始めると、他のA戦メンバーから離れて一人B戦メンバーのサポートをしようとしていた。そして1年生のトレーニングも確認してから部室へ。昨年の主将、MF宮本優太(3年)と同じ行動をすることで、昨年のチームに近づけたいという思いもあるようだ。

「今年は自分がやらないといけないという責任がありますし、そうしなければ勝てないと思う。結果を出すこととチームを勝たせるという強い意識をもってやらないといけない」とプレーヤーとしての意気込みを語る熊澤は、「(関川不在は)厳しいですけれども、カバーできるように頑張っていかないといけない。(関川が復帰する際に)いい状態で迎え入れたい。郁万が帰って来るまで頑張ります」。関川が復帰するまで、リーダーとして自分ができることを迷わずにやり続ける。

 インターハイ優勝、選手権準優勝などを勝ち取った先輩たちの日常を同級生たちと共有することも役割。周囲は関川不在の期間に熊澤が一本立ちすることを期待しているが、熊澤はその期待に応えて人間的にも成長を遂げ、ボランチ、リーダーとして「強い流経」の中心になる。

(取材・文 吉田太郎)

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