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埼玉タイトル奪還目指す西武台は流経大柏相手に力示し、若谷同点弾も

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後半33分、西武台高FW若谷拓海が左足ミドルを決めて同点

[2.3 ジャパンユーススーパーリーグ 流通経済大柏高 2-1 西武台高 流通経済大柏高G]

 埼玉のタイトル奪還を目指す西武台高(埼玉)にとっては前向きな内容だった。この日、昨年度の夏冬全国ファイナリストである流通経済大柏高(千葉)相手にも存在感を示した注目の大型MF大塚悠平(2年)と、勝ち気なプレー光るMF今田剛(1年)、両MFの後方で幅広い攻守を見せたMF齋藤紀樹(2年)のトライアングルを中心に細かくボールを動かし、FW関口崇太(2年)やFW若谷拓海(2年)がタイミング良く相手の背後へ抜け出す。

 前半16分に今田がインターセプトから抜け出したシーンや、好パスを連発していた大塚のスルーパスから若谷が抜け出した30分のシーンなど、得点には結びつかなかったものの、素早いパスワークによって流経大柏守備陣を脅かしていた。

 後半立ち上がりにはサイド攻撃から決定機。若谷のラストパスを関口が1タッチで合わせ、17分には大塚が巧みなルーレットターンから出した縦パスに再び関口が反応する。攻守において運動量の多かった関口をはじめ、個々が切り替え速い守りを徹底した。

 この日は注目SBイディアゲリ康介(2年)やGK高麗稜太(2年)を欠いていた守備陣も本来ボランチのCB松井豊(2年)が守屋保監督から「これだけできれば」と評価を受けるプレーをし、「流経さん相手にぶつけてみよう」(守屋監督)と抜擢されたGK高橋クリス(1年)も跳躍力と身体の柔軟性を活かしたクロスへの対応を発揮するなど健闘。1点差のまま食らいついた。

 そして、後半33分には中盤でのボール奪取から若谷がオープンスペースへ縦パス。関口の落としを受けた若谷が「横パスがいい感じで来てファーストタッチが上手く決まった。ニアへ打った方が意表をつけるかなと」狭いニアサイドへ左足ミドルを突き刺した。

 それでも終了間際にクロスから失点して惜敗。若谷は「こういう全国レベルになると、いくら自分たちが良いサッカーをしていても最後に決められてしまうと思う。もっと自分たちのサッカーをしていきたいし、クロスの対応やセットプレーもしっかりしていきたい。最後のところのディフェンスや1対1は日頃の練習から高め合っていきたい」と口にした。

 2000年以降、毎年のように埼玉タイトルを獲得してきた西武台だが、15年のインターハイ予選優勝を最後に頂点から遠ざかっている。昨年5冠の昌平高や正智深谷高、武南高などライバルは多いが、大塚は「3年間3つ上の代からタイトル取れていない。自分たちの代で取れるようにしっかり練習して取りたい」。課題のディフェンス面や武器である細かなパスワーク、スピードのある攻撃を磨いて今年は必ずタイトルを奪還する。

(取材・文 吉田太郎)

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