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西武台の大型司令塔・大塚、怪我に泣いた昨年の悔しさぶつけて「見返せるような選手に」

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西武台高の注目MF大塚悠平

[2.3 ジャパンユーススーパーリーグ 流通経済大柏高 2-1 西武台高 流通経済大柏高G]

 注目MFが復調を感じさせるプレーを見せた。西武台高(埼玉)のMF大塚悠平(2年)は16年のRookie Leagueで大いに注目を集めた長身ゲームメーカー。だが、期待された昨年は夏前に左腓骨筋腱脱臼の大怪我を負って4~5か月間の離脱を経験し、何とか間に合わせた選手権予選でもベストコンディションで挑むことができなかった。

 足に埋められていたボルトを抜く手術もあって、新チームには遅れて合流。まだキックなど感覚を取り戻している最中だというが、それでもこの日はダイレクトのパスワークに幾度も絡み、時には流通経済大柏高のハイプレスの逆を取るような形でボールを収めてから、得意のミドルパスを逆サイドやDFラインの背後へ通して見せた。

 大塚のスルーパスやオープンスペースへの展開で抜け出すシーンもあったFW若谷拓海(2年)は「大塚が良いパスを出してくれる。それを信じて走りました」と説明。2シャドーの一角を務めた大塚は相手の状況を見て攻撃の緩急を使い分ける部分や、味方と連動した守備、長身を活かしたヘッドでも貢献度は大きかった。

 守屋保監督は「もっとゲーム勘を戻してくれれば。視野が広いところがあるので」と期待。「(流経大柏相手にも)持っている感じは余裕がありました」と振り返る本人も、体力面や競り合いの部分、細かな精度の部分などをより強化していく必要性を口にしていた。

 昨年1年間悔しい思いをしてきただけに、今年にかける思いは特別だ。「去年棒に振ってしまったので、今年しっかり活躍して、しっかりと結果を残していきたい。(昨年については)悔しいところがありますね。見返せるような選手になっていきたい。しっかり怪我のケアとかをして、今年は万全で全試合出れるようにしたい」と誓う。

 この日は終盤に失速したものの、まだまだ力を発揮できそうな印象だ。離脱中に筋トレや食事面を意識してきたことで体重を5kg増やして現在は73kg。サッカーができない期間に取り組んで、成果が出たところもある。そして、まだ公式戦で本領を発揮できていない悔しさは間違いなく力に。「試合中の落ち着いたプレーと、あとはみんなが速い攻撃した時に(意識的に)遅らせたり、状況判断するところも見て欲しい」という大器が今年、中心選手として復権を目指す西武台にタイトルをもたらす。

(取材・文 吉田太郎)

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