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[新人戦]17年高校選抜候補、山梨学院の新エース宮崎は「原口選手みたいに」

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山梨学院高の新エース、FW宮崎純真は得意のドリブルで存在感

[2.4 山梨県高校新人戦決勝 山梨学院高 2-1 帝京三高 山梨学院和戸G]

 特に前半は止まらない存在になっていた。山梨学院高の10番を背負うFW宮崎純真(2年)は「(自信があるプレーは)裏へのスピードある抜け出しと、ボール受けてからのドリブルシュートですね」という武器を発揮。人数をかけて止めに来る帝京三高のディフェンスを鋭く方向転換しながらのドリブルによって振り切り、ドリブルシュートへ持ち込んでいたほか、打ち切れなくてもFKを得て味方のチャンスに繋げていた。

 前半21分の先制点は宮崎の仕掛けで得たFKをFW川野大成(1年)が頭で決めたもの。10番は果敢な仕掛けに加え、巧みにDFラインと入れ替わってハイサイドでボールを収めるなど、攻撃の起点となる動きも見せていた。

 だが、後半は相手の厳しいマークと、味方がロングボールを多用した中でボールに絡む回数が減り、無得点。エースとして試合を決める仕事をすることができず、準決勝、決勝の計5得点全てを後輩の1年生たちが決めたことについては「悔しい。今年、自分が試合を決めるくらいの意識で練習からやっている。準決勝、決勝は新2年しか決めていないので、もっとやらなければいけないです」と首を振っていた。

 1年時から山梨の名門校で先発を務める宮崎は昨年、日本高校選抜候補にも選出された注目FWだ。U-19日本代表FW加藤拓己(3年)が卒業する今年は、マークが自分に集中するだろうことは理解している。

「昨日(の準決勝)からボール受けると3、4人来て、なかなか1人では厳しい場面があった。中盤では1タッチとか2タッチとかを使ってゴール前で勝負したかった。それができなくてチャンスにあまり絡めなかった。3、4人来ても簡単にはボール取られない自信があるので、周りを使いながら自分の得意なドリブルを上手く使えればいい攻撃ができると思う」。新人戦で学んだことを意識してプレーし、今後の活躍に繋げる。

 昨年の日本高校選抜候補合宿は体調不良のために辞退。高校選抜入りや年代別日本代表入りへのチャンスを掴むことができなかった。「相当悔しかった」という経験をしていただけに、今冬の選手権でも再び日本高校選抜候補に選出されるような活躍を目指していたが、チームは初戦敗退。自身も1年前に比べるとシュート意識を欠いて関係者の印象に残るようなプレーをすることができなかった。

「物足りなかったですね」という選手権でリベンジするための1年が始まった。新人戦は優勝したものの、自身のプレーには満足していない。「原口(元気)選手みたいに。ハードワークも自分の武器なので、ハードワークでチームに貢献して決め切るべきところで決める。そういう選手になりたい」というFWは、課題のフィジカル面や空中戦、そして得意のドリブルの出し方などを改善し、結果を残して1年後の高校選抜入りや将来のプロ入りに繋げる。

(取材・文 吉田太郎)

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