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敗戦の中でルーキーがキラリ、川崎F守田「緊張はあまりなかった」

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落ち着いたプレーを見せていたルーキーMF守田英正

[2.10 富士ゼロックススーパー杯 川崎F2-3C大阪 埼玉]

 王者の強さ…を感じさせるには程遠かい内容だった。序盤からチャンスを作られ続けた川崎フロンターレは、後半3分までに2失点。PKでようやく1点を返し、突き放されて迎えた後半アディショナルタイムにFW大久保嘉人にもゴールが生まれたが、鬼木達監督も「単純にセレッソの力が強いということを改めて感じた」と認めるしかないほどの完敗だった。

 ただ明るい材料もあった。後半7分からDF田坂祐介に代わって途中出場したMF守田英正だ。そのまま右SBに入ってプレーすると、前半攻め込まれていたスペースを消して、チームに安定感をもたらした。「緊張はあまりなかった」。昨年末、大会MVPを獲得する活躍で、流通経済大に3年ぶりとなるタイトルをもたらしたルーキーがいきなり強心臓ぶりを見せつけた。

「期待されているところは守備の対人だったと思うので、気をつけました。前半は相手の攻撃力があって、クロスを上げられる場面が多かった。自分が出たときは第一にそこをやられないように意識しました。自分の持ち味は少なからず見せられたと思います」

 本職はボランチだが、CBやSBと守備的ポジションならどこでもこなせるユーティリティさも大きな武器だ。「ボランチで出たい、勝負したい思いはある」が、今は経験を積むことを重視している。

 4万1803人が入ったスタジアムでの試合を「すごかったですね」と初々しく振り返った守田。「高校でも全国に出れるレベルではなかったので、これだけ人が入る試合は経験ない。アップの時からスタッフとか選手間で話すときに聞き取りにくかった。試合前から言われていましたが、言われている以上に声が聞こえないと感じました」。すべての経験が財産になる。 

(取材・文 児玉幸洋)
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