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[新人戦]「選手権は選手権」新チーム公式戦初黒星の前橋育英は初心に戻って積み重ねる

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立ち上がりから積極的に仕掛けていた前橋育英高FW室井彗佑だが、1点が遠かった

[2.11 群馬県新人大会決勝 前橋育英高 0-1 桐生一高 下増田運動場A]

「去年の人たちを越すには去年の人たち以上に頑張らないといけない。チーム全体が分かっていると思う。これからだと思うので頑張っていきたい」

 0-1で敗れた群馬県新人戦決勝後、前橋育英高FW榎本樹(2年)は、選手権で初の日本一に輝いた先輩たち以上の努力をしていくことを誓った。この敗戦を糧にするしかない。その思いをピッチでプレーした選手、ピッチサイドで応援していた選手全員が感じたはずだ。

 数的優位に立ったことが油断を生んだか。開始5分にDFライン背後へ抜け出したFW室井彗佑(2年)が相手GKの退場を誘発。残り75分間を11人対10人で戦うことになった。細かいコンビネーションにチャレンジしながら攻めた前橋育英だが、重心を後ろに置いた桐生一の守りを切り崩すことができない。

 室井や榎本がドリブルシュートへ持ち込み、左CKからMF小栗秀哉(2年)が決定的なヘディングシュートを放つシーンもあったが、奪われたボールを桐生一高に繋がれて押し返されるなど相手を飲み込めなかった。

 そして、シュート数7-0で前半を終えて迎えた後半2分、セットプレーから失点。後半開始からMF秋山裕紀(2年)、同10分からFW高橋尚紀(2年)と昨年のチームで全国舞台を経験している選手たちを投入したものの、桐生一の壁は厚い。攻め急いでロングボールが増えてしまう中でも決定機を作り出した前橋育英だったが、CB山原康太(2年)の決定的なヘッドが2度クロスバーを叩き、MF高橋優斗(2年)のバイシクルシュートもDFのスーパークリアに阻まれた。

 相手の3倍以上となる16本のシュートも実らずに0-1で敗戦。この日不在だった山田耕介監督に代わって指揮を執った櫻井勉コーチは「選手権は選手権。初心に戻ってやれと言われているようなもの」と指摘し、「昨年は昨年で今年は今年。しっかりと積み上げないといけない」と改めて引き締めていた。

 実績、昨年の活躍など関係なしの競争が再スタートする。選手権決勝の決勝ゴールによって知名度を上げた榎本は、無得点に終わったことについて「これが自分の実力なんでここから(プレッシャーを)乗り越えないといけない。ここからなので、この負けをバネに頑張りたい」と語り、「プレッシャーとかもあったんですけれども、それに勝てないのではまだまだ」とチームとしての力不足も認めた。

 1学年上の先輩たちは新人戦、インターハイ予選、選手権予選、プリンスリーグ関東、そして選手権も優勝。敗戦をバネに努力を続け、偉大な先輩たちに一歩でも近づく。 

(取材・文 吉田太郎)

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