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[新人戦]攻撃に特長持つ2校の攻め合い。西武台が昨夏全国出場の浦和西を4-0撃破! :埼玉

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前半26分、西武台高MF深代陸(7番)が先制ゴール

[2.12 埼玉県新人大会準々決勝 西武台高 4-0 浦和西高 西武台第2G]

 平成29年度埼玉県高校サッカー新人大会準々決勝が12日に行われ、3年ぶりの優勝を目指す西武台高が昨年のインターハイ出場校・浦和西高に4-0で快勝。西武台は17日の準決勝で武南高と戦う。

 4-0で快勝した西武台の守屋保監督は「ウチは練習試合とか色々なところとやりながら先走りしているだけ」と謙虚に口にしていた。年明けからジャパンユーススーパーリーグなどで他県の強豪校と対戦してきているだけに、仕上がりはライバルたちよりも早い。そして、浦和西のポテンシャルの高さについても口にしていたが、試合は西武台の強さも示す80分間だった。

 立ち上がりから初戦で4得点の俊足FW関口崇太(2年)がスピードで違いを示し、注目MF大塚悠平(2年)やMF若谷拓海(2年)が相手応援席をどよめかせるようなパスを通してくる。昨年は選手権予選でもファイナリストになっている浦和西も左サイドで抜群のスピードを発揮していたMF重信圭佑(2年)の突破からゴールに迫り、23分には主将のエースMF唐牛七海(2年)を投入。市原雄心監督が「どことやっても通用すると思う」という唐牛と重信の両翼から圧力をかけ、そこからの連続攻撃で押し込もうとしていた。

 だが、西武台が先制に成功する。26分、西武台は左サイドから中へ切れ込んだ関口がDFを次々といなしてファーサイドの若谷へパス。そして若谷が中央の状況を見て冷静にファーサイドへクロスを通すと、MF深代陸(2年)が頭で合わせて先制した。

 浦和西は28分に大型FWオージ・ヴィクター・シラタ(2年)を投入して反撃に出るが、西武台は33分に追加点。大塚が得意のミドルパスを前方のスペースへ通すと、右中間へ抜け出した関口がDFを引きつけて折り返す。これに走り込んだ大塚が右足ダイレクトでゴール左隅に突き刺して2-0とした。

 西武台は後半6分にも若谷のラストパスからMF今田剛(1年)が左ポスト直撃のシュート。だが、守屋監督が求めている「動かしながら、見ながら、素早く、正確に」という部分が欠けて浦和西に主導権を握られてしまう。

 浦和西は右サイドからのドリブルで存在感を放つ唐牛中心にFW森喜紀(2年)やMF石山凌太郎(1年)、重信が仕掛け、セカンドボールを拾ってまた西武台を押し込んでいく。ただし、7分に唐牛が迎えた決定機などチャンスで決められなかった浦和西は追撃することができず。劣勢の時間帯でCB郡司益徳(2年)らが我慢強く守った西武台は30分、右ショートコーナーからMF齋藤紀樹(2年)のヘッドで3-0。アディショナルタイムにも交代出場のMF浦上颯太(2年)のクロスを同じく交代出場のFW谷直哉(2年)が右足で合わせてダメ押した。

 7-1で快勝した初戦に続く快勝で、堂々の4強入り。関口は昨年埼玉5冠の昌平高をターゲットに挙げ、「昌平にファイナルに来てもらって倒したい」と口にしていたが、昌平はこの日、成徳深谷高に敗れて敗退。それでも15年のインターハイ予選以来遠ざかっているタイトル奪取へ西武台イレブンのモチベーションは高い。

 守屋監督の言う「続けられる体力をつけなければならない」という課題などを改善し、どこからでもチャンスをつくり、決められるチームになること。注目タレントを擁し、伸びしろもある。その西武台が今年こそ、埼玉県内、そして全国で大暴れする。

(取材・文 吉田太郎)

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